第八章 反転
第1話 佐天の能力
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ったんですよ。目的は知りませんけど……」
と。
今度はビルの壁から、またあの黒い影が現れた。
しかし、そこから出てきた人物は佐天ではなかった。
狂三「お久しぶりですわね、涙子さん」
時崎狂三だった。
その登場の仕方に御坂と食蜂は身を構えたが、佐天は特に何もすることもなく、悠々としていた。
佐天「お久しぶりですね。私に何か用ですか?」
狂三「大有りですわ。涙子さん。あなたの力を貸して欲しいと思いまして」
佐天「……説明してくれますよね?」
狂三「実はーー」
彼女は話し始めた。
精霊の美九に士道が女装していることがバレて、彼女に追われていること。
その士道は今身を隠していること。
一方通行や上条はとある敵と交戦して助けを求められないこと。
そしてーー十香がDEM社にさらわれたこと。
佐天「ーーー!」
狂三「『わたくしたち』は十香さんを助けにDEM社に乗り込みますわ。その前に美九さんに会わなければなりませんけど」
佐天「……あなたの言うことはイマイチ信じることができませんが……」
チラッと横を見ると、目の焦点があやふやになり、何かを必死に探している一般人を見つけた。
恐らく、美九に操られた観客。
佐天「……あんなモノを見せられたら信じるしかないじゃないですか」
狂三「では後で来弾高校に来てください。お待ちしておりますわ」
佐天「了解です」
言い終えると、狂三は再び影へと戻っていった。
佐天「……というわけなんです。友達がピンチなので助けに行ってきます」
御坂「……いや、別に私たちの許可なんて取らなくても佐天さんの好きにしたらいいけど……これだけは覚えててくれる?」
佐天「……何ですか?」
いつに無く真剣な御坂の表情に、佐天も顔から笑みを消してしまう。
そして、その言葉は佐天にとってとても胸にくるものだった。
御坂「初春さんを悲しませることだけはしないでよね」
対して、佐天はどこか悲しそうな表情で、力のない声で言った。
佐天「……わかってますよ」
そのまま佐天は空へと飛び立った。
御坂と食蜂はその姿を最後まで見届けた。
食蜂「……まさかねぇ」
御坂「何が?」
食蜂「彼女の名前のことよぉ」
御坂「……それなら私も気づいていたわよ」
『佐天』
『佐』を『人』と『左』と分解して、
逆から読めばこうなる。
《天の左の人》
天が天使のことだとしたら。
《天使の左に立つ人》
と、訳すことができる
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