第八章 反転
第1話 佐天の能力
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偽物
幻影
クローン
どの言葉を使っても意味が通じるほどに、目の前の『佐天』は『佐天』ではなかった。
第三者が彼女を操っているかのように、いつもの彼女の行動パターンとは異なっていた。
鎌を構えて襲いかかる目の前の少女。
御坂「くっ……」
額から電撃を迸らせ、それを真っ直ぐに放出する。
対して『佐天』は鎌を振りかざし、その電撃を跳ね除けてみせた。
御坂「……やるじゃない」
佐天「それほどでも」
御坂も武器には武器で対抗せんと言わんばかりに、砂鉄を集め、それをチェーンソーのように回転させた。
佐天「あぁ、そういえば御坂さんって武器も作れるんですね」
御坂「そうよ。ちゃんと覚えててくれて嬉しいけど……そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」
御坂が剣を引きながら突進し、それを『佐天』の胸の方につき刺そうとする。だが案の定それは佐天の鎌によって防がれた。
チェーンソーのように動く砂鉄は『佐天』の鎌を少しずつ削っていく。
佐天「……っ!」
それを無理やり払い、地面と水平に鎌を構えてそのまま勢いをつけて振り切ろうとした。
御坂「……!」
それをまたチェーンソーで防ぐ。
キン、キンという金属音にも似た音が響き渡っていたーー
ーーその時だった。
佐天「……ぐあっ!?」
突然、頭に衝撃が走った。あまりの痛さに頭を抱え、膝から崩れ落ちてしまう。
頭痛というレベルを超えている。鈍器で殴られたような痛みが脳内を駆け巡り、動作を停止しろと言わんばかりのアラームが鳴り響いているようだ。
御坂「やっと仕事してくれたわね」
そう。
それをやったのは、脳内に直接ダメージを与えることができる少女。
食蜂「悪いわねぇ。普通の人間レベルじゃ彼女、私が能力を使ったことさえも気づかないぐらい強いんだしぃ」
食蜂操折だ。
御坂「ふーん。でも、この子が精霊ってことが分かったんだし、一応当初の目的は達成したわよね?」
食蜂「そうねぇ。でもぉ、まだ聞いてないんじゃないの?」
御坂「……分かってるわよ」
あのことを聞くまではまだ帰れない。
御坂「佐天さん、ちょっと聞きたいことがあるんだけどーー」
その時だった。
『佐天』の身体が徐々に下に向かって行ったのだ。
彼女は浮いてるわけではない。
代わりに彼女の真下の地面には、先ほど『鎌』を出した時のような邪悪な黒い影ができていた。
その黒い影は彼女を喰らうように引きずり下ろしていく。
御坂「ちょっ……!?」
思わず手を差し伸べてしまうが遅かった。その時にはもう身体全てが影
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