襲撃
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さっきぶっ飛ばしたアンデッドの斧がなんやかんやで空中から降ってきて、後ろに突き刺さったらしい。ユーノとネロが突然の事で仰天している。やれやれ、意外なカウンターをもらってしまったな。
「大丈夫だ、ちょっとクリアカン名物の土産が降ってきただけだ」
「え、こんなものがお土産なんですか!?」
「あ〜うん……一言で表すなら物騒だね」
「意味を少し変えたら私自身がむしろお土産とも言えるよね……ニダヴェリール生まれニダヴェリール育ちの純ニダヴェリール産だもの」
『おろ、じゃあ私は純が付きそうにないね。11年分次元世界で育ってるから』
「でもこれから……私もこの世界を出る訳だから、俗に言う出荷されるみたいな感じかな」
『出荷されるのも良い経験になるよ。その代わり運命の荒波に必ず揉まれるけど』
「なるほど……だけど今も車に揉まれてるよね。おかげでさっきから胃の中の物がリバースしそうで凄く辛い……」
『大丈夫? 乗り物酔いってホントに辛いしね。まして今は爆走中だし、周りを見ても気晴らしすら出来ないし、余計にね……』
内容はともかく、冗談を言えるまで彼女達の精神は回復してくれたようだ。そこは素直に喜ばしい。シャロンの乗り物酔いだけは酔い止めを持ってきていないから、どうしようもないが……。しっかし装甲車の装甲を貫く斧を持っていたとは、接近する前に対処して正解だった。そして俺達を乗せる装甲車はそのまま企業区を通り抜けていく……
その時!
「集束砲撃だと!? しまった、横転する!!」
突如上空からの攻撃を受け、地面が抉られる衝撃で足を掬われた装甲車がひっくり返って転がり、中にいる俺達はその衝撃で天地が何度も入れ替わった。あまりに揺さぶられて流石の俺でも三半規管へ少なくないダメージを受ける。しばらく転がってどこかのビルの受付に衝突し、逆さまの状態だが何とか勢いが止まった。
「クッ……皆、無事か……?」
無事だった俺は運転席から乗り出して呼びかけると、微かな声だが二人分の返事が返って来た。隣の助手席に視線を向けると、怪我はしていないようだが乗り物酔いが限界に達して真っ青な顔で意識が朦朧としているシャロンの姿があり、後ろの方ではさっきの攻撃を受けた時に咄嗟に中に戻ったマキナを、ネロとユーノが守るようにしがみ着いていた。その影響でマキナの代わりに二人は大怪我を負ってしまったらしく、出血の跡が見られる。あの状態では、すぐに動かすのは危険だ。そのため意識のはっきりしているマキナは、二人の怪我の酷い所に回復魔法をかけている。しばらく任せよう。
[お兄さん、さっきの奴が来るよ!]
「チッ……他の奴はまだ動けない。俺とレヴィだけでやるしかない」
横転したとはいえ燃料漏れはしていないから、し
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