襲撃
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ドがいるから、降りて通り抜けるのは色々な意味で厳しすぎる。破壊しようにもマキナのレールガンチャージの時間もないから……仕方ない、迂回して空港へ行くしかない。
「サバタさん、その十字路を右へ曲がって。その先にある管理局支部を真っ直ぐ通り抜けて、商業区から企業区を経由して次元区まで向かう。少し遠回りだけど、これが現状で確実に行ける最短ルートだと思う」
「わかった、シャロンの勘を信じる。よしッ、おまえら! シートベルトはちゃんと締めなおしておけ、少し荒っぽくいくぞ!!」
前方から接近する機動砲システムの車両と側面がぶつかりながらすれ違い、その時の急激なハンドル操作で重心が動き、身体が横に引っ張られる。タイヤから轟音を立てながら装甲車は方向転換し、前方に管理局支部の見える道路を走行する。すると後ろから機動砲システムの車両も追跡を開始し、こちらに併走してきた。
「このまま付いて来られると面倒だ、どうにかして切り離さないと……!」
運転しながら必死に考えている内に、装甲車は管理局支部の入り口に到着した。あと少しでエントランスに突入すると思っていると、マキナが突如近くにあったドラム缶を狙い撃つ。途端、爆発……ではなく、中に入っていた魔導結晶の欠片が辺り一面に散らばり、後ろから迫っていた機動砲システムがタイヤを滑らして建物の支柱に激突する。残念ながら完全破壊まではいかなかったものの、しばらく時間稼ぎは出来ただろう。
「ほう、やるじゃないか、マキナ!」
『SEEDのような借り物の力がなくたって、十分やれる!』
装甲車はそのままガラスを突き破って反対側へ飛び出し、商業区へと進出する。所々に他の車両が炎を立てて転がり、アンデッドが徘徊している道路をひたすら突っ走る。
「前方に未確認アンデッドを確認。何なの、アレ……!?」
商業区から企業区へ通じるゲートを、人間の体格の倍ほどある巨大なアンデッドが道を塞いでいた。ギロチンのような大斧を持ち、表情が見えないように覆面を被っている事もあり、まるで処刑人のような佇まいだった。それを見てよくわからんが接近させてはならないと、俺の勘がささやく。
「マキナ!」
『大丈夫、言われずともチャージ完了! レールガン……発射ッ!!』
凄まじい電子音と発射音が発生し、亜音速に匹敵する速度でマキナの魔力が込められた弾丸がアンデッドを撃ち抜く。彼女のデバイスの排熱機構が蒸気を出して熱を放出する中、変異型に近かったアンデッドは成すすべなくぶっ飛ばされていった。あいつ、パワーはあってもスピードは鈍重そうだったから、ぶっ飛ばされた以上、追いつかれる心配はない……。
ガキィッ!!
「うわっ!? なんか斧が天井を突き破ってきたぁ!?」
「に、兄様!? そちらで一体何が!?」
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