襲撃
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導師のアンデッドなんて、どんな性質を持っているのかサバタ様ですら判断しかねているもの。未知のアンデッドと遭遇する危険性を考えたら、地上のアンデッドをやり過ごしていく方が安全だよね』
「ああ、それにこの密度の暗黒物質だ……魔力を喰う性質を考えると、おまえ達の魔法にも影響があるに違いない。下手をすれば飛行中にコントロールが乱れて落下する危険がある」
「じゃあどうするの……? いくらサバタさんでも私達を守りながら正面突破は厳しいと思うけど……」
「そうだな……確かに何か良い手は…………む?」
辺りを見回していると、乗り捨てられた管理局の装甲車両を見つけた。恐らくアクーナを襲撃しなかった局員がアンデッドと戦うために出動し、そして誰も戻って来なかった車の一台だろう。
「しめた! アレを使おう」
「車か……でも兄様、この中に車を運転できる人はいるの?」
ネロの質問に手を上げる者はいなかった。確かにこの面子で車を運転する機会があった者は一人もいないだろう。俺は二輪を運転しているが四輪はした事が無い……あの車は正確には八輪なんだが、それはどうでもいい。でも運転の経験があるのは俺だけだし、仕方ない……やるしかないか。
その旨を告げると皆もそれしかないと承知してくれて、俺達はストライカー装甲車によく似た車に乗り込んだ。ちなみにシャロンは乗り物が苦手らしく、嫌そうな顔で渋ってたが……状況が状況だから我慢してもらうしかない。幸いアンデッドが待ち伏せているような事は無く、安全確認をした俺はそのまま運転席のチェックを行う。
「よし、キーは刺さったままだ。これならすぐに使える……ん?」
引っ張られる感覚がしたので振り向くと、マキナが真剣な表情で俺を見つめていた。何か話したい事があるのだと思った俺は、彼女と向き合った。
『サバタ様……私、もう何も出来ないのは嫌だ。だから……戦う覚悟を決めたよ。無力だった自分と決別するために……そしてシャロンと生き残っていくために、理不尽な運命と戦う。サバタ様は私を戦いから離してくれたけど、それでも再び私は銃を手にする。シャロンだけは何としても失いたくない……彼女だけは絶対に守りたい! だから……お願いします!!』
「……そうか。何を言っても、その気持ちは揺らがないんだな?」
『はい……! これは私が選び、決意したものです! 何者でもこの意思を変える事は出来ません!』
「わかった。そこまで言うならデバイスに解除コードを入力しよう、だがもう後戻りは出来ないぞ?」
『全て承知の上です!』
マキナのデバイスが表示したディスプレイに、キーワード入力画面が出る。キーワードは……、
『天国の外側』
入力した瞬間、マキナのデバイスが通信機から変形していき、因縁のある
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