襲撃
[4/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
きつめのショック療法だが、少なくともこれで先程のような事はしなくなるはずだ。
だがちょっと追い詰めすぎた気がする……流石の俺でも罪悪感を抱いてしまうな。しかしここは誰かが心を鬼にして言わないと、いつまで経っても泥沼から抜け出せなくなる。この場合、致し方あるまい。
「とにかく生き残った彼女達が何を背負ってるのかをありのまま伝える事で、反動的に生きようとする意識を覚醒させた方が色々な意味で今後のためになる。そういう事だ」
「……ごめんなさい、正直に言うとそのやり方はちょっと僕には受け入れがたいです。何て言うか……わざと傷口を抉ってるような気がして……」
「別に受け入れようとしなくても構わない。実際抉ってるし、ユーノにも思う所があるのはわかってる。大体俺はああいうやり方しか知らんからな……おまえ達はおまえ達なりにやればいい」
「そういえば兄様って、問題の対処法が割とそういう傾向だったね。私の時も怒って説教してから、上向きになる意思表示を促していたなぁ……」
ユーノが戸惑う隣でネロも何か思い返しているようだが……今更この性質は変えようが無い。別に俺が嫌われようが、少しでも前を向く力が湧けたのならそれで構わない。そしてそれは……幼いあいつらにも言える。
「……そろそろ話を切り上げよう、時間もあまり無い。クリアカンは目の前だから、さっさとラプラスを取り戻して脱出するぞ」
クリアカンに到着してすぐ、この街には闇の気配が充満していて、生命の気配が微塵も見当たらなくなっている事を身を以って理解した。ダークマターの探知力が衰えたと言っても、これ程濃密な死の気配なら戦士として培った勘だけで気づける。恐らく死線を潜った経験がある恭也や士郎なら一瞬でここが死地だとわかるだろう。
寒気を感じる程静寂に包まれた街並を前に、俺達は一旦作戦会議を行う。まずユーノが意見を出した。
「さて……空港まで行くとしたら、街中を真っ直ぐ突き抜ける最短距離を通るのが当然一番早いと思う。だけどその代わり、多数のアンデッドとの戦闘は避けられない。……そもそも僕達はサバタさんやフェイト達のようにアンデッドを倒せないから、戦闘は可能な限り避けるべきだと考えたんだけど……皆はどう思う?」
「戦闘を避けるなら、ホラーゲームのお約束らしく地下水道を通るべきじゃないかな。この際、臭いニオイが身体にこびりつく事は辛いけど我慢しないと」
「ネロの提案では確かに安全だが、その代わり時間のロスが激しい。第一俺達は地下水道の地形を知らない、少なくとも地図か案内図が無ければ迷ってしまう確率が高い。それにタイムリミットが訪れてしまったら安全に元も子もない」
『かといって飛行魔法で街中を飛んでいくのは、ちょっと危険かもしれない。なにせ魔
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ