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白梅
5部分:第五章
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「まさかとは思いましたが」
「梅を放さなかったのが迂闊だったな」
 趙が指摘したのはやはりそこであった。
「もっとも。気配は感じていたがな」
「御見事です。流石は趙襄子様」
 素直に彼を褒め称えて頭を垂れる。趙はその彼に対してさらに言う。
「豫譲」
 また彼の名を呼んだ。
「聞きたいことがある」
「何でしょうか」
 豫譲は趙の問いに顔を向けた。漆でかぶれ病にしか見えないその顔で。

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