暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikers〜誰が為に槍は振るわれる〜
第一章 夢追い人
第6話 恋と日本文化と戦いと
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そしてラディ陸曹はまた、気の抜けた声を出しながらくつろぎ始める。
でも僕の方はどうしてもくつろぐ気にはなれなかった。
味方なはずなのに、この人の前で隙を見せてしまうと、そのままとってくわれてしまうように思えたから。
そうやって気を張っていたおかげだろうか。なんとなく、どこがどうとは言えないけれど、あ、またなにか話し出すなって気づくことができた。
「な〜、エ〜リ〜オ〜」
「なんですか?」
「少しさ、世間話でもしようか〜」
「世間話、ですか……」
「そうそう」
ラディ陸曹の考えていることが分からなくて、僕は身構える。
でもそんな僕のことに気づいていないのか、ラディ陸曹はその “世間話” とやらを始めた。
「オレってさ〜。スパイじゃ〜ん」
「は、はい。そうですね」
世間話の内容としてそれはどうなのだろうか、と思いつつ、とりあえず返事をした。
「んでさ、スパイっていう仕事はさ〜。色んなとこ駆け回って、人が知られたくないーって思ってる情報を集めるのが仕事なのよ〜」
「……はい」
ラディ陸曹のスパイの話で、もしかしたらこの人は自分から六課の悪口を聞き出そうとしているのかもしれない、という考えがよぎる。
フェイトさんやはやて部隊長たちの夢を、僕の居場所を、壊させたりするもんか。きっといまの僕の顔には、そう書かれていると思う。
色々と気遣いのできるラディ陸曹なら気づいているはずなのに、けれどまったく気にした様子もなく話を続けた。
「だからさ〜、知ってるんだよね〜。エリオが、プロジェクトFの記憶転写型クローンだってこと」
「…………え?」
なにを言っているのか分からなかった。
お風呂の端に背中を預け、こちらを横目で見てくる“この人”の言葉が、頭の中でグルグル回って、なにを言ったのか分からなかった。
分からなかったから、ただボーっと、その顔を見ていた。
そうしていると、目の前の“この人”が、また、話しを始めた。
「今から約8年前、富豪で知られるモンディアル家の次男が、不幸な事故に遭い亡くなった。しする息子を亡くし、モンディアル夫妻は悲しみに暮れた。話がここで終われば悲劇で終わったんだろうが、現実にはそうならなかった」
そこで“その人”はいったん言葉を切り、壁から背中を離した。
「ある科学者が、多分金目当てだったんだろう、夫妻にプロジェクトFのことを話し息子さんを生き返らせようと話を持ちかけた。愛する息子を亡くして絶望していた夫妻はその話に乗り、お前が生まれた」
頭に入ってくる
言葉
(
かこ
)
を前に、なにも考えられなくて、僕はただ、黙って、無表情で、その話を耳に入れることしかできなかった。
けれど、次の“その人”の言葉に、それさえ
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