暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico27-A竜の脅威〜The 1st task force : Dragon Head
[6/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
なのかも判らない。何せこの“ツァラトゥストラ”は物心つく前から私が持っていた物で、どこで作られたのか、どういう材質なのか、どういう機構なのか、そう言った正体すらも依然不明。

(魔力の集束量の上昇、出力・運用力の向上などなど。私の固有スキルを円滑に発動できるように作られた、謎の腕環・・・)

私は孤児だ。親の顔も知らない、本当の名前も知らない。聖王教会系列の孤児院前に捨てられていた私は5つまでそこで育てられ、そこの院長に“アルテルミナス”の名を貰った。そしてマルスヴァローグ家に養子として引き取られたことで、“マルスヴァローグ”の姓を貰った。その瞬間、私は1人の人間――アルテルミナス・マルスヴァローグとして完成された。

「はぁぁぁぁーーーーッ!」

思い出に浸るのもこれまでにして、私はヘッド1に向かって急降下。彼は身構えて、私の迎撃態勢に入った。致命傷になる刃に触れさえしなければ問題ない。それはこれまでの攻防で確認済み。狙いはヘッド1の両手。指の骨をへし折ってあげれば大鎌を持っていられないはず。

「運の良い奴め!」

「(運の良い・・・? まあいいや)せいっ!」

斜めに振るわれる大鎌の刃の腹を爪先で蹴って、軌道を無理やり逸らさせる。予定とは違うけどすかさず靴底にスキル効果を付加して、ヘッド1の顔面へ前蹴りを繰り出す。

(歯や鼻の1本や2本は覚悟してよね!)

ヘッド1は即座に左手を柄から離して、ミリタリーグローブに包まれたその手で私の靴底をパンッとキャッチ。だけど・・・

「むぐぉ・・・!?」

ボキボキと、手首と5本の指の骨を折った音が聞こえた。やっぱり太陽の杖の加護が無ければ普通に攻撃が通る。ヘッド1は脂汗を流しながらも「ふんっ!」無事な右手だけで大鎌を振るってきた。

「仮にも騎士を名乗るなら犯罪なんて起こさないでほしいんだけど!」

「なに・・・!?」

「さっきの続き! 犯罪者のあなたが、1人の騎士として試合を申し込む、なんて・・・騎士を馬鹿にしないでほしいっていう話!」

ヘッド1と再度攻防を繰り返す。ヘッド1は片手ながらも上半身を使って器用に大鎌を振り回し、私の攻撃を上手く迎撃してくる。でもさっきよりは隙が大きい。それにしても動きづらい。得物がただのデバイスなら、回避なんて面倒な動作をせずに済んで、思うがままに粉砕できるのに。そうすれば好き勝手打撃を打ち込める。それが出来ないのが窮屈で仕方ない。

「騎士とは、武と勇を以って正を貫き、義を掲げ、忠を尽くし、礼節を重んじ、高潔に生きる者! あなたは・・・!!」

「ぅぐ・・・!」

「ただの犯罪者だ!」

大鎌の扱いが僅かに乱れた。その隙を見逃すわけにはいかない。神器というアドバンテージへの警戒の所為で本来の実力を発
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ