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白梅
2部分:第二章
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してや玉のものでもない。象の牙には似ているが。しかも形も普通の杯とは違い丸っぽく、それでいて微妙に歪な形をしていた。不思議な杯であった。
「何なのでしょうか」
「頭よ」
 趙は彼の問いに誇らしげな笑顔で語った。
「頭?」
「そう、頭だ」
 またこう言うのだった。
「これは頭なのだ」
「頭といいますと」
「だからだ。しゃれこうべだ」
 今度の答えはこれであった。しゃれこうべと言ってきたのだ。
「しゃれこうべ!?」
「左様。わしは智伯との戦いに勝った」
 次にこれを言う。今開かれている宴は彼との戦いに勝った祝いであるからこれはわかった。
「それを祝ってな。これで飲んでいるのだ」
「しゃれこうべで祝い」
 だが家臣はそれを聞いて首を傾げる。何か頭の中でつながらないのだ。

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