第202話 妖精は再び―――――。
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が、そこは敢えて目を瞑っておこう。
ディス「おっと、これはこれは。少々無駄話に花を咲かせてしまったようじゃな。」
ト「そのようですね。では早速・・・」
前置きをした後、トーヤは邪気の渦を纏った右手を右斜め上から左斜め下に薙ぎ払うように振った。
ト「邪気螺旋風ッ!」
黒い邪気の風が、螺旋を描きながらすごい勢いでディスペアに襲い掛かる。が、ディスペアは右手を固く握り締めると、その拳を風の中に突っ込み反動で跳ね返した。
ト「!?」
思いもしなかった事態にトーヤは反応に遅れたが、その場で地面を強く蹴り空中に避難した。
ディス「絶拳!」
ト「うぐぁ!」
空中に避難したのはいいが、その直後に固く握り締められたディスペアの巨大な拳がトーヤの小さな身体に直撃した。真下から食らったので、トーヤの身体は空気抵抗も無しに空高く浮き上がる。
すぐさまディスペアが追いつき、今度は頭上で組んだ両手をトーヤの身体に叩きつけた。
ディス「うぉらァアアア!」
ト「ぐァアアアアアアアアアアアア!」
叩きつけられたトーヤの身体はものすごい速さで落下し、ものすごい勢いで地面に叩きつけられた。叩きつけられた反動で、地面がへこんだ且つ亀裂が入った。
ディス「これはこれは。少々やりすぎてしまいましたかのぉ?」
地面に降り立ちながら、ディスペアは嫌らしい口調でトーヤに語りかける。
ト「・・・ぅ・・・・ぅぐ・・・!」
ディス「ほぉ、これはこれは。まだ奈落に堕ちるのを免れただけでも大したものだわい。じゃが、身体にはかなり堪えたじゃろうな。」
ディスペアの言うとおり、トーヤは激しく咳き込みその度に口から赤黒い血を吐き出していた。地面に叩きつけられた衝撃で、角が1本折れてしまっていた。
ディスペアがまた、トーヤを見下すような目つきになった。
ディス「やはり、こんな小童相手にしても身体が温まりもしないわい。さっさと奈落に突き落として、次の獲物を探しに行くとするかのぉ。」
その言葉に、トーヤの耳がピクッと反応した事にディスペアは気づかず、左足にドス黒い紫色の魔力を纏った。
ディス「絶破粉砕!」
魔力を纏った左足でトーヤの身体を思いっきり踏み潰した。砂煙が舞い上がる。
ディス「これで半幽人は奈落に堕ち―――――ん?」
「堕ちたわい」と言おうとしたディスペアは首を傾げた。
ディス「(手応えが無い、じゃと・・・?)」
確かにディスペアは左足でトーヤの身体を踏み潰した。だが、その踏み潰した時の手応えが一切無いのだ。
まさか、と不安を覚えながら恐る恐るディスペアは足を退ける。そのまさかが的中した。踏み潰してぺちゃんこになって
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