第202話 妖精は再び―――――。
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そうとしていた足は狙いから大きく外れてしまった。
アンファ「どこの誰だいっ!?妖精を奈落におとそうとし―――――!・・・こ、これは!?」
キーキーと甲高い声で喚きながら邪魔した人間を探す暇はアンファミーには無かった。
なぜなら、いつの間にかアンファミーを取り囲むように、空中に7つの巨大な金色の立体魔法陣が描かれていたからだ。
「立体魔法陣!?いつの間に、誰がっ!?」
アンファミーは慌てて辺りを見回すが時既に遅し。
「七つの星に裁かれよ。」
7つの立体魔法陣が一斉に光り出した。
「七星剣!!!」
「ギィイィヤァアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」
魔法陣から一斉に放たれた7つの金色の光の筋が、一斉にアンファミーの身体を容赦なく貫いた。地面を震わすほどのバカデカい悲鳴が轟く。
エ「・・・・・」
今までの光景を黙って見ていたエルザの目は大きく見開かれ、開かれた口からは言葉を失っていた。
そして、アンファミーに強烈な攻撃を食らわせた七星剣―――――天体魔法を使う人物をエルザはよく知っていた。不意に、脳裏にその人物の顔が過った。
エ「(近くにいるのか!?)」
エルザは辺りを見回そうとした、その時だった。
『立て、エルザ。』
エ「!」
頭の中で淡々とした、だがよく通る声が響いた。
『お前は、今まで何度も転んできた。だがお前は、その度に立ち上がる強さも持っている。立ち上がらせてくれる仲間も、お前には存在する。その仲間の為にも立ち上がるんだ。』
自然と、エルザの口元には笑みが浮かんでいた。
『俺が手を差し伸べられるのはこれっきりだ。だが、お前ならもう、1人で立ち上がれる。“光”が“闇”を打ち消す事を、ただ祈っている―――――。』
エ「・・・あぁ。」
声が途切れた。
エルザは慎重に左足を曲げ口元に近づけると、晒しの裾を口と右手を上手く使って引き裂いた。そして周りにあった手頃な瓦礫を掴むと、折れた左腕と右足を引き裂いた晒しで固定した。
刀を杖代わりにし、歯を食い縛りながらエルザは立ち上がった。その強さで―――――。
アンファ「妖精を奈落におとせなかっただけでも屈辱だってのに、どこかの馬鹿者に盛大にやられるわ、妖精は立ち上がっちゃうわ・・・今日のアタイは恵まれていないみたいだねぇ・・・」
不吉な色をした体に多少の傷を刻んだアンファミーは苦虫を潰したような顔をしていた。その傷からは少量だが、青黒い血が流れ出ていた。
エ「あの攻撃を食らって・・・よくまともに立っていられるな。」
ア
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