暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第二章 天空の大陸 アルビオン
ランサー
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にしてしまっていたのである。
 やがて少しずつ荒く波立って心が静まっていくのを感じた。確かに時間はないが、それにはランサーに確実にダメージを与えなければならない。
 しかし、敵は恐らく名のある英雄。生半可な小手先の技は通用しない。するならもっと大技、そう例えば宝具のような・・・。
 そこまで考えて架は最近気付いた、ある死活問題を思い出した。

 まあ早い話が、架は宝具を持っていないのである。

 当然と言えば当然の話だ。何せ架は本来英霊などではないのだから・・・。
 だが、手がないわけではない。




『お前もあいつと同じだ。』

 不意に頭の中で声が響いた。

『お前の力は所詮借り物に過ぎん。』

 そう、あの時、あの戦いで教えられた。

『ならば、せめて頭の中だけでも思い描くがいい。』

 赤い外套をはためかせながらそいつは言っていた。

『最強の自分を。』

ああ。分かってるよ、アーチャー。

 見よう見まねが俺の得意分野だからな!!


「デル・・・投げるぞ。」
「へ?お、おい相棒、そりゃどういう・・・」

 デルフリンガーが聞き返す前に剣を逆手に持ち替える。そして後ろに跳躍してランサーとの距離を大きく開けた。


 まるで獲物に狙いを定めた獣のように四肢を地面に付ける。


(思い出せ・・・あの光景・・・あの動きを・・・)
「・・・『模倣(フェイク)・・・開始(オン)』!」

「あ?って、その構え・・・まさか!?」

 ドンッ!!

 ランサーが何かを言っていたが聞く耳は持たない。弾丸のように飛び出し、助走をつけた状態で一気に跳躍する。助走をした分その跳躍力も常軌を逸していた。
 空中で体全体を弓の様に反らし投げの構えをとった。同時に左手のルーンが光り輝く。


目の前に起こった事象を焼き付け


頭の中で回想し


そこに自分の外形を重ね合わせ


ここに実現と成す!!!




そして思い描くのは、あの世界で出会った蒼き槍兵、





すなわち――――――





偽・突き穿つ(ゲイ)―――――死翔の槍(ボルグ)!!!!」






「うおおおおおおおお!!!??」
「なあっ!?!?」

 雄叫びか悲鳴か分からない声をあげて飛んでいくデルフリンガー。
 冬木市の第5次聖杯戦争のランサーにしてケルト神話の英雄クー・フーリンの宝具『ゲイボルグ』。所詮紛い物の技では因果逆転など起こりえないし、あの不治の呪いはない。
 だが、
 あの爆発的な威力と、敵を貫くほどの速度で放つことは出来る!!


 ズガァァァァァァァァン!!!


「おおお・・・おお
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