第6話
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、先ほどちら見した
書類を取り上げて中身を目で追い始めた。
一枚めくりコーヒーをひと口、という動作を3回繰り返して最後まで
書類をチェックすると、1枚目の隅に付箋を貼って"OK"とだけ書きいれ、
書類を脇に置いた。
「レーベン。メールのソートは?」
《終わっています》
「了解。いつもありがとな」
《いえ》
レーベンに頼んでいたメールのソートが終わっていることを確認すると、
ゲオルグはメールを上から順番に確認し始めた。
通常業務に関するメールをさくさくと何通か処理し、次のメールに取り掛かった
ゲオルグの手がピタリと止まった。
「なんじゃこりゃ?」
そのメールの題名を見た瞬間、ゲオルグは首を傾げて訝しげな声を上げる。
画面上には「明日」とだけ記されたメールのタイトルと、
「八神はやて」という差出人の名前だけが表示されていた。
「何の話か題名に書いとけよ・・・ったく」
呟くようにはやてに向けた愚痴を言うと、メールを開く。
そしてメールの中身を見て眉間に刻まれた皺を深くした。
「”ゆうべ言ったように明日は13時に官舎の前に行きます”って
何の話だよ。意味不明・・・」
メールの本文に対して悪態をつくと、デスクに頬づえをついて
ゲオルグはメールの内容が意味することについて考え始めた。
(そもそも、明日っていつだよ?
だいたいはやてと夜に話したことなんか最近ない・・・よな?
ん? 夜・・・?)
ぶつぶつと独り言をつぶやきながら考えを進めていくと、
自分で言った夜という言葉に引っ掛かりを覚えて、ゲオルグは目を閉じて
右に左に首を傾けながら考え込む。
そうして1分ほど経った頃、ゲオルグはゆっくりと目を開けた。
(ゆうべ・・・か? 何も覚えてないけど、相当酔ってたもんなぁ、俺・・・。
もし、ベロベロに酔ってるときに連絡貰ったんなら謝らないと・・・)
想像とはいえ概ね事実に行きついたゲオルグは、しかめつらで左腕の時計に
目を向けた。
(この時間なら起きてる・・・よな?)
時刻は朝7時半。
定時に出勤するなら起床している時間である。
「レーベン、はやてにつないでくれ」
《了解しました、マスター》
ゲオルグの前に通信ウィンドウが現れ、ほどなくして呼び出し音が止む。
「ふぁい・・・八神れふけど」
通信ウィンドウの中に現れたのは、眠たげに目をこするパジャマを着た
はやてだった。
「あれ? まだ寝てたのか?」
「ふぇ? ゲオルグくんかいな・・・。昨日遅かったから、寝てたんよ。
で、なんやねんな、こんな時間に・・・」
寝ぐせのついた頭を掻きながらはやては眠たげな眼をゲオルグに向ける。
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