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魔法科高校〜黒衣の人間主神〜
九校戦編〈下〉
九校戦七日目(4)×一年女子からのカウンセリング&治療とミラージ・バット決勝戦
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違いだけだと他校は思っているだろうな。

「一真様、悪い意味での笑みが出ていますよ」

「おっと。俺の悪い性格が出てしまったようだが、ハードとソフトをオリジナルだからか。性能差が同じだと思っている様子だな、残りはエンジニアの腕だが」

「ま、一真様オリジナルデバイスについては反則級だと思われますが、あのデバイスを使えば魔法師であってもタイプDを倒せるようにしてますもんね」

俺らが話していると他校のエンジニアがボヤいていた。

「クソッ、何であんなに小さい起動式で、あんなに複雑な運動が出来るんだ!」

恐らくキルリアン・フィルターという、想子(サイオン)の濃度と活性度を可視化する為にフィルター付きのカメラでほのかとスバルの起動処理を撮影していた。ちなみに起動処理は、起動式の展開から読み込みまでの処理の事。一直線に立体映像へ向かって飛び、光球の前で静止してから得点後に放物線を描いて足場へ戻ってからの慣性をキャンセルして着地。ま、重力加速度を無視しているが。

「同じ性能のはずなのに、なぜここまで差がつくんだ!」

「と他校で嘆いていますが?」

「それはそうだろうな。一連の運動中は、ほのかとスバルは一度もデバイスを操作していないからさ。跳び上がる時点で使用した起動式は、着地までの工程を全て一工程で済ませているというより記述されているという事の方が分かりやすいか」

「観客席にいる中条先輩もきっと同じ事を思っているかと。私は現代魔法を使う手の者ですが、起動式が小さい程起動処理が早く終わり起動処理の回数が少なければ魔法師の負担がより一層軽くなります。最小の魔法力で最速の事情改変とはこの事かと」

俺らが解説をしていると、他校からの舌打ち混じりにぼやいたのを聞いた俺と蒼太はバレた?とでも感じ取った。まるでトーラス・シルバーみたいだと聞こえているが、実際俺がトーラス・シルバー本人なんだからな。

「あーちゃん、どうしたの?」

あずさが振り向くと、目を見開いて突然硬直してしまっていた彼女自身を真由美が不思議そうに見ていた。

「何でもありませんが、流石は織斑君の調整したCADなんだなと思いまして」

「そういう事なら私も驚いているわよ?あんなに小さな起動式で、飛翔・静止・着地を一つにしてしまうという事ぐらいかな」

そう答えてから、真由美は観戦に戻ったがあずさがこうなる事も無理がないと真由美も悟ったのだろう。同じエンジニアスタッフなのに、俺が調整したのはどれも一級品に近い程だ。

「(・・・・まるでトーラス・シルバーみたい?)」

先程誰かがぼやいたが、歓声と悲鳴に紛れた言葉があずさの耳にはハッキリと響いていた。

「(あの起動式のマニュアル操作と自立支援型AIゼロとの連携によるアレンジ・・・
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