プロの時間(2016/05/16 一部修正)
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カートに載っていたシャンパングラスを手にしたビッチ先生が余裕の顔で口を開いた。
「あんた達、何悩んでるのよ。普通に通ればいいじゃない。普通に」
ビッチ先生はそういうや否や、ちょっと酒に酔った女性客の様に自然な感じで体をふらつかせながら、ホール内にあるピアノに向かって行った。
成程。ホールにピアノがあるってことは、それを弾く者も当然いる。酒に酔ったピアニストに扮して、警備員の意識を自分に集める気か!
ビッチ先生は手始めにピアノの近くに居る警備員を集め、演奏を始める。その腕前は正にプロ。ピアニストとしても食って行けるだろうと思えるほどだった。
しかも、全身を使った艶やかなパフォーマンスは、男だけで構成されているロビーの警備員の視線を釘付けにするには十分だ。
遠く離れている警備員も、ビッチ先生が声を掛ければピアノの周辺に集まっていく。さながら絡新婦といった所か。
こうして警備員達の視線がビッチ先生に釘付けとなっている内に、俺達は難なくすぐ近くにあった非常階段から2階、3階へと移動することに成功した。
移動の過程で出撃メンバーのほぼ全員が、ビッチ先生の思わぬ才能に驚いていたが、烏間先生だけが優れた殺し屋は万に通じると語っていた。
特にビッチ先生は潜入暗殺のプロ中のプロ。ハニートラップに関しては世界でも1、2を争う達人であるという説明を受け、俺達の中でのビッチ先生の評価が変わった。
ビッチ先生。足手纏いとか思って悪かったな。あんた、俺達にとっても尊敬すべき暗殺者で、最高の教師だよ。
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