4部分:第四章
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なく仙界へ行くことができます。それでは」
「うむ」
左慈はこうして天高く旅立った。そして地上にいた五百人の左慈も姿を消した。後には曹操だけが残った。
「贅沢なやつだ。私の詩を持って行くとはな」
「左様ですな」
そこにいた共の者の一人がそう言った。
「明公の詩を持って行くとは。欲の張った男です」
「ですが明公」
別の供の者がここで曹操に対して言った。
「何だ」
「何の詩を送られたのでしょうか。ご子息方も」
「それは言えぬな」
彼は笑ってそう答えた。
「知っておるのはあの男だけだ。もう行ってしまったがな」
「そうですか」
「今頃あの男は」
曹操は言った。
「仙界に着いておる頃かな。私の詩と共に」
空を見上げてそう言った。そこには晴れ渡った青い空が広がっていた。
この詩がどういったものだったのかは曹操と左慈の他は誰も知らない。だが仙界では今も左慈がその詩を詠んで日々楽しんでいるという。これこそ最高の贅沢であるとある仙人が言った。。
左慈 完
2005・4・6
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