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ウイングマン スキャンプラス編
■4話 侵入
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ションスーツのお蔭で人一人入っているポッドを苦も無く持つことができた。
「私はか弱い女の子なんだけどなあ……」
ぶつぶつ言いながらもなんとか桃子は美紅のポッドを廊下に隠した。
廊下は狭いので縦にしか置くことができなかったが、もともと縦に置かれていたものなので安定性に関しては何の問題もなかった。
ホッと一息といきたいところだが、もちろん、それで終わりではない。
ウイングマンがスキャンプラスを倒してこちらに来られてはせっかくの苦労も水の泡だ。
それに今のポジションなら見えはしないが、少し移動すれば見ててしまう可能性も高かった。
それに、やはり、今のくるみと美紅の姿を健太に見せるわけにはいかないのだ。
「どこかに美紅ちゃんたちの服があると思うんだけど……」
しかし廊下にはもちろん美紅たちの服はない。
桃子のうろ覚えの記憶では先ほどの研究施設の中に美紅たちの服があったようには思えなかった。
一瞬、改めて穴から研究室をのぞいてみたが、やはりそれらしいものは見当たらなかった。
それなら美紅を起こして聞くのが手っ取り早い。
まず手始めに美紅のポッドを見た。
ポッドの中に捕えられている美紅をこの機械から解放しなければならない。
よく見るとポッドの横にスイッチがあった。
もちろん何のスイッチかなんてわかりはしなかったが、考えている余裕なんて今の桃子にはなかった。
とにかくそのスイッチを押してみた。
ウィーン。
「きゃっ!」
ポッドの透明なカバーがいきなり開いた。
すると裸の美紅が桃子の方に倒れこんできたのだ。
「美紅ちゃん、起きて……」
桃子は美紅の体を受け止めがまだ起きてはこない。
とりあえずはまずこのポッドから出さないとと、美紅を抱えながら引っ張ってみた。
しかし、すぐに抜けてはくれない。
どうやら美紅の足にブーツが引っ掛かっているようだった。
桃子は慎重に美紅を引っ張るとブーツはポッドに引っかかったままだったが、体はするりと抜けた。
すると美紅の体はガ―ディングポイントに覆われた。
「え? ガ―ディングポイント? どうして?」
美紅が発していたガ―ディングポイントの発動はブーツによって邪魔をされていたのだった。
桃子は美紅があれほど必死にガ―ディングポイントを発動させようとしていたことなど知る由もなかい。
ポッドから美紅を引き出そうと思っていたらたまたまブーツがポッドに引っかかって脱げてしまっただけだった。
しかし、この発動のお蔭で、とりあえず桃子を悩ませるはずだった問題が一つ、図らずも解決してしまった。
「美紅ちゃん!」
桃子が体を揺らすと美紅は目を覚ました。
「う、う……ん」
目を擦ると夢うつつの美紅の目の前には、変身した桃子の姿があった。
「あれ? 桃子ちゃん? どうして……?」



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