異変の時間(2016/03/30 一部修正)
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
はどこにも存在しません」
……想像すらしていなかった奥の手と、その欠点を計算に入れた上での使用。今回の暗殺旅行、俺達の完敗としか言い様がなかった。
この後、殺センセーは烏間先生に回収され、処分法は防衛相預かりということになった。この時、殺センセーは世界中の軍隊相手でもここまで追い込まれたことが無いと、俺達を褒めてくれたが全員の落胆は隠せなかった。
プロの殺し屋からアドバイスを貰ってまで練った、かつてなく大がかりな暗殺計画。その渾身の一撃を外したショックは大きく、E組の大半は異常な疲労感を感じながらホテルへの帰途についた。
そして、ホテルのオープンテラスに着くとクラスの半数以上が疲労感から机や椅子に体を預け、ダレ始めた。
「おいおい。大規模暗殺計画が失敗してショックなのは分かるけど、お前らダレ過ぎだろ」
「南の言う通りだ。テメェら、もう殺ること殺たんだから明日1日遊べるだろうが」
ダレている奴らに俺と寺坂がそう告げるが、ダレ組の殆どが反応できずにいる。何だ、これ?何か変だろ。確かに疲労感はあるが、全員疲れ過ぎだ。
俺がそんなことを考えていると、渚のすぐ側にいた中村が肩で息をしながら床にへたり込み、それに続く様に岡島がありえない量の鼻血を噴いた。
「変態終末期、大丈夫か!!?」
「こ、この状況でも、俺をその名で、呼ぶのかよ……。イッキ」
俺が岡島を抱き起しながらそう告げると、岡島は俺の発言にツッコミを入れてから、ガクっと意識を飛ばした。
「変態終末期?おい、変態終末期!?………変態終末期――――!!」
「イッキ君。ふざけてるつもりはないんだろうけど、この状況で岡島君をその呼び名で呼んでるとふざけてる様にしか見えないよ」
俺が戦場で最も親しい戦友を失ったかの様に岡島の渾名を叫んでいると、渚に肩を叩かれながらそうツッコまれた。いや、本気でふざけてるつもりはないんだが……。
ちなみに俺達がこんな遣り取りをしている間に、異変を感じ取った烏間先生が島内の病院をフロントに尋ねたりしていたが、島内には小さな診療所が1つある上、常駐型ではないことが判明。
更にその直後、烏間先生のスマフォに非通知でこの状態を作り出した者から連絡が入った。電話の内容はダレ組の体調不良が人工ウイルスによるものということ。
また、そのウイルスに感染した者は、1週間もすれば全身の細胞がグズグズになって死に至り、治療薬も1つしかないということ。
そして、治療薬が欲しければ完全絶対防御形態の殺センセーを持って、山頂にあるホテルまで来いという、典型的な脅迫だった。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ