暁 〜小説投稿サイト〜
DIGIMONSTORY CYBERSLEUTH 〜我が身は誰かの為に〜
オープニング
Story2:デジモンとの遭遇 vsクリサリモン
[9/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
行った。


「……やった、勝った…!」

「うん、僕達の勝ちだね!」

「あ、あぁ…! ありがとうテリアモン、お前のおかげだ」

「ううん、お礼を言うのは僕の方だよ。君のおかげで、僕は助かったんだしクリサリモンにも勝てた! ありがとう!」


 テリアモンは嬉しそうにそう言うと、俺の胸に飛び込んできた。俺は少し驚くが、すぐに飛び込んできたテリアモンの頭を撫でた。撫でられるテリアモンは顔を上げ、俺と目が合うと「えへへ…!」と笑って見せた。
 そんな光景を後ろから見ていた青年は、二人の様子に驚いていた。


「…デジモン・キャプチャーのスキャンを介さずに、デジモンが手に入ることは稀だ。ましてや、プログラムが人に懐いたりなど……それに、先程の指示の出し方、技の選択…初めての戦闘の筈なのに、あれだけの力を発揮するとは……」

「……あのな、もう一度言うぞ。こいつはただのプログラムじゃない、俺の“相棒”だ。これ以上“相棒”を貶すような発言は止めて欲しいんだが」

「……その考え方も含めて、君はハッカーの中でも相当“規格外(イレギュラー)”な存在になるだろう。ともかく、卵は孵った…この先は、君次第だよ」


 そう言った彼は「そろそろ消えるとしよう」と、俺に背を向けた。
 その時、あることを思いだした。俺が白峰を残して、クーロンの先へやってきた理由を。


「そうだ! あんた、真田―――じゃなかった、え〜っと…目つきが悪くて、フード付きの服を着た奴を見なかったか?」

「ふむ…あぁ、“もう一人のイレギュラー”の、彼か」

「ッ、知ってるのか!?」


 俺の言葉に、彼は背中を向けたまま一回頷いた。そしてクーロンの…更に奥へと続く道を眺めた後、こちらを向いてから再び言葉を紡いだ。


「彼なら、先のエリアへ向かった。そこはかつて、EDENのエントランスだった旧(ふる)いエリアだ。創世記の遺物、忘れられた過去の残滓さ。その証拠に、初期タイプの『ログアウトゾーン』も残されたままだ」

「ログアウトゾーン! それを使えば…!」

「だが今はプロテクトでロックされていて、使用はできないよ。まぁあの程度のロック、ハッカーであればどうという事はないが…」


 そこまで言うと、青年は手を顎に当てて数瞬思考する素振りを見せた後、また話し始めた。


「…そうだな、ここから帰りたくなったら、そのログアウトゾーンを使うといい。目つきの悪い彼なら、問題なく解除できる筈だ。…彼の“腕”が落ちていなければね」

「…? それって、どういう…」

「……まさか、彼から何も聞かされていないのか?」

「あ、あぁ…聞いたのは精々名前くらいだ」


 それを聞いた青年は、少し困った表情へ変え
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ