1部分:第一章
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茶を飲んでいる祖父の源五郎に対して尋ねるのであった。
「おお、良太か」
「うん」
源五郎はいつもこの今でテレビゲームをしているかお茶を飲んでいる。意外と気が若く趣味はテレビゲームなのだ。漫画も好きだ。銀髪を奇麗に後ろに撫で付けており皺も少なく外見は実際の年齢よりも遥かに若く見える老人である。良太をよく可愛がっていて良太も彼になついている。そうした祖父である。
「お菓子か?それなら」
「お菓子もいいけれど」
まずは源五郎が差し出したマロングラッセを受け取る。見れば彼が飲んでいるのは紅茶である。こうしたところも中々洒落ているお爺ちゃんであった。
「ちょっと聞きたいことがあるんだ」
「ゲームの攻略のことか?」
「ううん、それは後で」
良太は源五郎の向かい側に座った。そうしてマロングラッセを食べながら話をするのだった。
「今はね。別の話題」
「では漫画か?」
「そうでもないんだ」
それも否定するのだった。
「実はさ、公園の穴あるじゃない」
「公園のか」
「そう、大きな穴」
それを今自分の祖父に対して言うのだった。
「そこのことを聞きたいんだけれど」
「ああ、防空壕か」
源五郎はそれを聞いてわかったような顔を見せてきた。
「あそこのことか」
「その防空壕だけれどさ」
良太はそれについて聞くのであった。
「何の為にあったの、あれって」
「何じゃ、知らんのか」
源五郎は孫のその言葉を聞いて紅茶を飲む手を少し止めて彼に言ってきた。
「前に言ったと思うがな」
「聞いてないよ」
本当に聞いていないのか覚えていないのか。とにかく源五郎は首を横に振るだけであった。
「戦争の時に逃げる場所だって聞いたけれど」
「その通りだ」
孫の今の言葉に頷いてみせてきた。
「知っとるじゃないか」
「一応はね。けれど何で穴の中に逃げたの?」
「空から爆弾が落ちてきてな」
「爆弾が」
これを聞いてもあまり実感がない顔であった。
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