第二幕その九
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「ホテルの人がお話してくれた通り」
「海のお魚もですね」
「あるね」
「これは鯛ですね」
「和歌山のものだね」
「それをお料理してくれたものですか」
「そうだね、間違いなく」
「この鯛も食べて」
「最後はね」
先生が次に見たものはといいますと。
「和菓子だね」
「羊羹ですね」
「これも楽しもうね」
「はい、それでお酒も」
皆の前にはおちょこもあります、そこにはもう澄んだとてもいい香りのお酒があります。
「楽しもうね」
「これがここのお酒だね」
「うん、十津川のね」
王子はまたトミーに答えました。
「そうだよ」
「じゃあ今から食べようか」
「皆でね」
こうお話してでした、実際に皆で。
ご馳走を食べはじめました、トミーはまずは蒟蒻のお刺身を食べましたがそのお刺身を一切れ食べてから言いました。
「これは」
「美味しいのかな」
「はい、とても」
驚いたお顔での返事でした、先生への。
「美味しいです」
「そんなにいいんだね」
「つるって入ってきて食感がぐにゃりとしていて歯応えがあって」
「それでなんだね」
「風味も素敵です」
それが蒟蒻のお刺身だというのです。
「お醤油と山山葵にも合います」
「そこまで美味しいのならね」
「先生もどうぞ」
「うん、食べさせてもらうよ」
実際にこう答えてです、先生も。
その蒟蒻のお刺身を食べてでした、笑顔になってコメントしました。
「うん、確かにね」
「美味しいですよね」
「蒟蒻のお刺身がこんなに美味しいなんてね」
「新しい発見ですよね」
「そうだね、いやこれはいいよ」
「山菜の天麩羅もいいよ」
王子はこちらを食べています。
「お酒にもよく合うよ」
「そちらもだね」
「いいね、これだと」
王子はお酒も飲みました、そして。
満足したお顔でまた天麩羅を食べて言うのでした。
「お酒も幾らでも飲めるよ」
「王子、ですが」
「お酒はです」
執事の人と運転手の人が王子を諌める様に言ってきました。
「程々に」
「あまり多くは飲まれないで下さい」
「飲み過ぎると毒です」
「ですから」
「ううん、二人共厳しいね」
王子は二人の言葉に苦笑いで返しました。
「お酒のことについては」
「はい、国王陛下からも言われています」
「王妃様からもです」
「くれぐれも王子を頼むと」
「ですから」
お酒は、というのです。
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