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英雄は誰がために立つ
Life8 Is he Lover? NO! Father or Brother
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が起きている時のように米神を抑えたい気持ちに駆られた。

 「如何したんだ?そんな呆れるような顔をして・・・」
 「ようなではありません。呆れてるんです」
 「なんでさ」

 そんな反応をするからですと言いたかったソーナではあったが、口にしても無駄だと諦めた。

 「・・・・・・話を元に戻しますが、私は椿姫に用があって来たんです」
 「まさか起こすのか?」
 「そんな事をする気はありません。ただ椿姫が起きるまで、私の我儘を聞いてはもらえませんか?」
 「出来る範囲内であれば・・・」
 「それなら大丈夫です。それは――――」


 −Interlude−


 「会長は此処か?」

 椿姫の使っていた鍛錬場に、ソーナが向かったという情報を聞きつけた元士郎が扉の前辿り着いた。
 ちょっとした所要があって、鍛錬を早めに終えてからソーナに会いに来たのだった。
 入室する前にノックをする。

 『どうぞ』
 「?――――失礼します」

 ソーナや椿姫は勿論のこと、女性の声でもない事に頭上にクエスチョンマークを浮かべるように傾げる元士郎だったが、執事の人でもいっしょに居るのかな位に思いながら扉を開ける。

 「あー、君か。確か匙君だよな?」
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(パクパクパクパクパクパク)」

 だが、扉を開けた先には想像を遥かに超えた光景が、元士郎に現実として突き付けていた。
 自分の用があった会長と、この鍛錬場を使用していた副会長は、恋敵としての疑いのある魔術師、藤村士郎の膝枕で2人揃って気持ち良さそうに寝ていたからだ。

 「ソーナか椿姫に用があって来たんなら、悪いが少し時間を置いてやってくれないか?ご覧の通り、2人揃って寝てるんだ」

 しかし、士郎は元士郎の思いに何の気付きもせずに、素で淡々と口にする。
 無論、元士郎はそんな光景を目にして素面で居られるほど、大人では無い。

 「・・・・・・!!!」

 けれど、此処で大声を出すと、折角気持ちよさそうに寝ている2人の邪魔をするので、何とか怒鳴り声を抑える。その代り、身を焦がす程の嫉妬を士郎に叩き付けるように睨んでいた。
 若干、目尻に涙を溜めこみながら。

 (如何して俺は、親の仇のような目で睨み付けられなければならないんだ?)

 そして何時もの如く、士郎はその手の感情に非常に鈍いので、現状の理不尽さに疑問に思えずにはいられなかった。

 結局、2人が目覚めたのはそれから10分後の事で、その間士郎は元士郎の嫉妬滾る双眼に晒され続ける羽目だったと言う。
 そして、今日この日より、匙元士郎にとって、藤村士郎はいつか乗り越え打倒しなければならない、強大な恋敵として確定され
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