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英雄は誰がために立つ
Life8 Is he Lover? NO! Father or Brother
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越しから伝わる声音には、嘘は混ざっていなかった。

 「まぁ、それが命令であるなら私は従うだけですからね」
 『――――それに、お前自身丁度いいだろう?近々、データ収集をしたいと呟いていたと記憶していたが?』
 「――――成程。つまり、お互いに利のある話ですな?」
 『如何判断するかについては任せる』
 「了解しました。ではあちらの準備が整い次第、私の方から勝手に順次発進させて、勝手に援護させますよ。それではこれで黒幕(マスター)

 その言葉を最後に通信が切れた。


 −Interlude−


 特訓3日目

 ソーナの眷属たちは皆、特訓に勤しんでいた。
 そして、日が暮れる頃、ソーナは椿姫をある用で訪ねて来た。

 「椿姫、います・・・・・・か?」
 「ん?」

 扉を開けた先には確かに椿姫はいたが、そこには何故か士郎もいた。
 しかも用のある椿姫は寝ていた。士郎の膝を枕にして。

 「・・・・・・・・・・・・」
 「如何した?ソーナ。そんなトコに突っ立てないで入ってこないのか?椿姫に用があったんだろ?」
 「――――確かにそうですが、当の本人は寝ているではありませんか?」
 「疲れたんだろ?忌まわしい過去を、真正面から受け入れるって言うのは、口で言うほど簡単じゃないからな」

 士郎が昨日、椿姫にアドバイスした際に、強く成りたいなら忌まわしい過去を乗り越える事が重要とアドバイスしたのだ。
 それに対して、椿姫は表面上士郎のアドバイスを素直に聞くモノの、自分が生まれ持った神器(セイクリッド・ギア)のせいで迫害されながら育った過去を改めて受け入れる事は、精神面を過剰に消耗させる事に繋がり、士郎が様子を見に来た時にかなりグロッキー気味だったので、小休憩を取ることを勧めたらこんな状態になっていたのだった。

 「――――そうですね。ところで、何時もそんな風に椿姫は、士郎君の膝枕で寝ているんですか?」
 「いいや、今回は椿姫が倒れそうなところを俺が受け止めて、此処は鍛錬場だし枕も無かったから、取りあえずこうして俺の膝を枕代わりに寝かせてるんだ」
 「その状況に対して何とも思わないんですか?」

 ソーナの言葉も尤もである。
 士郎と椿姫の現在進行形で続いているシチュは、傍から見れば恋人同士でやる様なモノだからだ。
 だからと、言うワケじゃあないが、士郎は少しムッとする。

 「俺だって男だ。この状況で何とも思わないワケじゃ無い」
 「そうですよね。安心しま――――」
 「男の膝枕なんてごつごつしてて、寝にくいだけだろうから早く普通の枕で寝かせてやりたいさ!」
 「・・・・・・・・・・・・」

 論点がずれている士郎の発言にソーナは、表面上は兎も角、内心では偏頭痛
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