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真・恋姫無双〜中華に響く熱き歌
第8話 魏武の大剣
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歌の中にあった、詩は激しく響いた。
華琳様の剣として、曹操軍が一の武将として、あらゆる思いを背負い生きている。
だから、どれほど強大な敵が立ちはだかろうと、限界を超えてでも、私は立ち向かう。
そして華琳様の覇道を切り開く剣となる。
その道を私は駆け続ける。
その私の信念を、この歌は歌っている、そう感じた。
だからだろうか、私の体は、心は、魂は熱く、真っ赤に燃えている。
「・・・途轍もないわね、この奏者。」
私が歌に夢中になっているときに華琳様ごそう呟く。
「この奏者の歌には難しい言葉なんて使われてない。故に、民衆にも親しみ安く、皆が聴いていく。さらに奏でる聴いたことも無いような曲、そして、心が熱く燃え上がる
ような歌声。それらの効果で、ここの者たちは皆生気に溢れた顔をしているわ。」
華琳様の言葉を聞き、辺りを見渡す。
見れば、私たちが来た頃よりも人が集まっている。1人1人の顔も見れば皆生き生きとしているように見える。
そして皆大いに盛り上がっており、まるで祭りのような雰囲気だ。
「この奏者は、歌だけで、この者たちの心を掴み、熱く燃え上がらせている。
歌で、こんなことができるなんて聞いたことが無いわ。
もし、もしこの奏者を我が配下に加えられたら、兵を集めるのが今よりもずっと集まるかもしれないわね。」
そう華琳様が言う。
「この奏者が居れば、我が覇道に一歩近づくかもしれない。
・・・欲しいわね。」
やはり、華琳様は、この奏者が欲しいようだ。
秋蘭と顔を合わせ、またのようだと苦笑し合った。
だが、私も内心それを喜んでいる。
この歌をまた聴ける。
その思いがただこの奏者を望んでいる。
「ふふ、春蘭も賛成のようね。」
内心で喜んでいると華琳様に笑顔でそう言われる。
「ええ、この歌をまた聴けるなら、また聴きたいです。」
私は正直に自分の気持ちを話す。
そう言うと華琳様は笑みを深め、
「どうやら、あなたもこの奏者に惚れ込んでしまったようね。」
「い、いえ、わ、私はただこの歌に惚れ込んだのであって、決してこの奏者に惚れたわけでは・・・」
私は慌てて訂正しようとしたが、
「ふふ、冗談よ、相変わらず可愛いわね、春蘭は。でも、そうなってもおかしくないわね。だってこの歌声を聴くに、この奏者がどれだけ歌が好きか、熱い思いがあるか伝わるもの。正直私もこの歌声を聴きたくて部下にしたいのよ。」
そう華琳様が言うのに驚く。
あの、華琳様がここまで認めるなんて、ただ驚いてしまった。
「でも今日のところは諦めましょ。まだ警邏の途中だし、あの奏者の歌はまだ続きそうだから。」
「だけど、諦めるつもりは無いわ。また機会があるでしょうから、その時に誘うわ。私は欲しいものは決して諦めない。だから、いつか私に仕えさせてみせるわ!」

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