第7話 曹操孟徳
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主人の言葉で我に帰る。
その言葉通り店内の歌も終わり、流れている曲も次第に静かになる。
「そのようですね。そろそろ行きましょう華琳様。」
そう夏侯惇が進言し、曹操も
「そうね。終わるのなら、居る意味もないわね。」
そういって3人は店の前こら去ろうとしたが、
「よっしゃー!燃えてきたぜ!まだまだ行くぜー!!」
店内からそんな声が聞こえてきた。
どうやらまだ続くようである。
「まだ続くみたいね。なら、もう少し聴いて行きましょ。」
『は!』
勢い良く返事を部下の2人が返す。
それを見てから、店内に顔を向ける。
(さあ、次はどんな曲を聴かせてくれるのかしら?この曹孟徳を満足させられるほどのものかしら、ね?)
そう心で呟きながら、期待している、と言うような顔をしている。
その直後に
「ハートに直接届けてやるぜ!行くぜ!Submarine Street!」
そう宣言した直後に曲が響く。先程の曲とは雰囲気が違い、ゆっくりした曲調である。
歌が聞こえてきた。先程の歌とは違い、分かる言葉が多い。
どうやら思い人に対する歌のようだ。それも、遠い所に離れている思い人に対して、だ。
だが、この詩は、なにも詩的な表現をしていない。
ただ、思い人に対しての思いを強く強く、そしてまっすぐに表現している。いや、表現しているというのは正しくない。これは、言いたいというのが正しいだろうか。
思い人がいないことについて、自分の心がどうなっており、どう思うか、そして、どれだけ逢いたいかを、言いたいのかが、伝わる。
そんな詩であり、曲であり、歌だ。
詩の観点から見ると、詩的な表現も無く、美しさもあまり感じない。だが、歌に込められた思いは伝わる。
それを心地良く、そして熱く感じることができる。
そんな不思議な歌だ。
このような歌、聴いたことが無い。
「・・・見事ね、」
気づけばそんな言葉を漏らしていた。
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