第5話 歌と信念と真名
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な、凪、本気か??」
「凪ちゃん、どうしたの??」
「ああ、本気だ。私はバサラ殿の歌、信念を聞き、真名を預けるに値する方だと思ったのだ。だから、真名を預けたい。」
2人は真剣な表情で告げる親友に何も言えなかった。
だが、当のバサラは
「なあ、真名ってなんだ?」
『真名を知らないの(ですか)(ん)?!』
「聞いたこともねえなあ。」
バサラがあっけらかんと告げると3人は信じられないと言うような顔で
「真名を知らんて、どんなとこに住んどったんや。」
「信じられないの・・・」
「・・・真名とは、その者の本質を表す名です。その者の許可無く真名を呼べば、殺されても文句が言えない程の無礼に当たるほど神聖なものです。そして、真名を許すのは、真名を預けるに値すると認めた者に預けるのが通常です。親兄弟、心から信頼する親友や上司や部下などに預けるのが多いようです。」
それを聞いたバサラは
「そうかい。」
とそっけなく返事をした。
だが、バサラは誰にも聞こえないように
「・・・人殺しなんざ冗談じゃねえや。」
と呟いた。
だが、楽進には聞こえていたようで、
「・・・確かに、真名の考えが無いバサラ殿には不思議に思うかもしれません。ですが我らは生まれた時から今に至るまで、我らの誇りとして根付いているものです。それを汚されて平気でいるなどできません。そこだけは理解して頂きたいのです。」
とバサラに言ってきた。
だが、バサラは
「・・・そうかい。お前らの真名の考えは分かった。だがな、どんな理由があろうと、殺し合いなんざくだらねえぜ!そんな時はおれの歌を聞かせて、殺し合いなんざくだらねえって思わせるほどハートに響かせてやる!」
そう宣言した。
あくまでも争いを否定し、歌で分かり合おうとするバサラの思いに改めて畏敬の念を抱く3人であった。
「・・・あなたはあくまでも歌で分かり合えるというのですね。そんなあなたにこそ真名を預けたいと思ったのかもしれません。バサラ殿、改めてお願いします。どうか、私の真名を預かってもらえませんか?」
「うちの真名も預かってくれへんか?兄さんにこそうちも預けたい。」
「私の真名も預かって欲しいの〜。さっきのお兄さんの考えすごいと思ったの。」
3人は皆、バサラに真名を預けたいと申しでた。
それに対してバサラは
「・・・いいぜ、お前らの真名ってやつ、教えてくれよ。」
と返事を返した。
「は、はい!私の真名は凪です!これからはそう呼んでください!」
「うちの真名は真桜や!よろしゅうな、兄さん!」
「私の真名は沙和っていうの〜!よろしくなのお兄さん!」
3人は元気よく真名を名乗った。
「いい名前じゃねえか。よろしくな。」
バサラがそう言うと3人は笑顔で嬉しそうに返事を返した。
特に凪は、顔を赤くし、それ
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