島の時間(2016/03/30 一部修正)
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本当にサービスならどうしてジュースを配る従業員が1人だけなんだ?俺がそんなことを考えていると、ジュースを手にしようとしていた有希子が声を掛けてきた。
「どうしたの、イッキ君?難しい顔してるけど」
「本当だ。イッキ君、眉間に皺が寄ってる!どうしたの?」
「何か心配ごとでもあるの?」
どうやら考えていることが顔に出ていた様で、有希子だけでなく矢田や速水にまで声を掛けられた。
「いや、さっきの従業員が少し変だと思って」
「変って、何が?」
「普通、俺達みたいな団体客にサービスのジュースをたった1人で配ったりするか?少なくとも2〜3人は従業員を動員すると思うんだけど……」
「………確かに」
「言われてみたらおかしいよね」
「それじゃあ、このジュースには手を付けない方がいいかな?」
「正直、得体が知れないから手を付けないでくれたら嬉しいな」
「……イッキ君が警戒してるなら、私も手を付けないでおこうっと」
「私も」
俺達4人がそんな会話をしてると、担任にすら変態であると認識された岡島がいきなり現れた。
「イッキ!てめぇ、神崎さんって彼女がいながら矢田や速水にまで手を出す気か!?全くもってけしからん奴め!」
「何言って――って、おい!岡島!!」
いきなり現れた訳の分からない因縁をつけて来たかと思うと、岡島は有希子の傍に置かれていたトロピカルジュースを手に取り、一気飲みし始めた。
「ッ!ぷは〜っ!!お前にはホテルで男と組まされた奴の気持ちなんて分かんねぇだろ!だから、腹いせに神崎さんの飲みかけのジュースを頂いた!!」
「いや、有希子はそのジュースに一切手を付けてないぞ」
「何!?ガッデム!!」
「ってか、お前のその行動が周囲から変態と見られる要因になってるって、そろそろ気付けよ」
岡島の予想外の行動に俺はドン引きし、有希子達は絶対零度の目で岡島を見ている。岡島、少なくとも有希子達は完全にお前を変態と認識したぞ。
ってか、警戒していたジュースを飲んでも岡島に対して変化が無い。周りを見てもジュースを飲んだ奴らに特に異常はない。警戒のし過ぎだったか?
有希子達に申し訳なく思った俺が改めてトロピカルジュースを注文しようとすると、吉田と村松が暗殺計画の準備を進める合図でもある班別行動を殺センセーに提案し始めた。
それによって俺はトロピカルジュースを注文する機会を逃してしまったんだが、それが結果として有希子達を救うことに繋がるとは、この時の俺は思ってもいなかったんだ。
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