閑話 第四話
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スに共感できない私である。セレーネ様の普段着はあまり大差無く、カッターシャツとズボンの組み合わせを基本に装飾品を一つ付けている程度だ。今日は胸元に小さなネックレスを下げているだけである。
そのスタイルが気に入っているのかな、ぐらいにしか思ってなかったけど、もしかしたらセレーネ様、それしか知らないんじゃないのかな……? かく言う私もおしゃれな服選びなんて全くしたことないから言える立場じゃないんだけどね。
「じゃあ私が着てみるか」
「ぶふぅっ!?」
『是非お願いします!』
周りの野郎共が下心を隠さず唱和してきやがった……! セレーネ様のあられもない姿を下卑た視線に晒す訳にはいかない!
「セレーネ様! 他のところへ──」
「あ、あれ? ホックが留まらない……」
「セレーネ様あああああああああああ!?!?」
『うおおおおお!! でけぇ!! 圧倒的にでけぇ!! そこの女とは違うな!!』
「誰だ今私の胸が小さいとか言ったやつ!? 出て来い!! 三枚に下ろしてやろうか!?」
くそぅ! 私がちっちゃい訳じゃないんだ! セレーネ様が大きすぎるだけなんだ! セレーネ様を偏差値にしたら私の息は止まっちゃうだろ!?
私の尊厳をこけにした奴はとんずらこいて何処かへ消えており三枚に下ろすことは出来なかったが、セレーネ様も服(主に胸)のサイズが合うものが無かったようで残念がりながらも試着を諦めてくれた。もしかしなくとも、セレーネ様がいつも胸元を開けてるのって単純に胸が苦しいからなのか……。
結局全部の店舗を回ることになったけど、私の服を買っただけでセレーネ様は「普段着で良いや」と結論付けてしまい一時の波乱は幕を閉じた。
何でセレーネ様の付き添いをするだけで私の心が抉られないといけないんだろ……。
「別に大きいからって良い事はあんまりないよ? 肩凝るし、服のサイズ合わないこと多いし」
「セレーネ様、それぜんぜんフォローになってません……」
私の泣き入りそうな声にきょとんと首を傾げるセレーネ様。持つ者の贅沢な悩みなんですよ、それ。私そんなのなったこと無いのにさ……。
「そんなことよりクレア、年頃の女の子が悩むことと言えば恋愛とかだよ! そういうの無いの?」
「私にとってスタイルは由々しき事態なんですが……恋愛ですか……」
そう言われても私の生業は冒険者だ。ダンジョンに出会いを求めているわけでもあるまいに、滅多なことで理想の男性と巡り合うことなんてないだろう。ダンジョンに充満しているのはピンク色の甘酸っぱい雰囲気ではなく、どす黒い血なまぐさい雰囲気だけだ。
「そっかぁ……好きな人、見つかるといいね」
唐突に展開された恋愛に関する話だったが、セレーネ様は私の返答で満足したのかあっさり切り上げ
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