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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っていた。
閑話 第四話
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うかなって思って」

 す、凄い、あのヘラ様とついで感覚で接するなんて……。ゼウス様とかヘファイストス様にも友好があるらしいセレーネ様って、実は神様の中でもとんでもなく偉い神様なんじゃ……?
 やはり崇高なる神様であると再確認した私であった。

「午後8時からだから、それまでに準備しておかなきゃだね」
「準備? あぁ、他の神様たちに贈り物とか用意するんですか?」
「贈り物なんかしないよ。単純にクレアの服を買いに行かなきゃいけないじゃん」
「えっ、私の? 何でですか?」

 《神の宴》と全くつながりの無いことに素っ頓狂な声を上げた私に、セレーネ様も逆にきょとんとした顔で私を覗き込みながら言った。

「何でって、《神の宴》には自分のファミリアで一番の人を連れて行くからだよ」



『!?』
『おい、あれ見ろよ……』
『すっげぇ上玉じゃねぇか……! 俺ちょっと話しかけてこようかな』
『は? お前じゃ無理だわ現実見ようなゴミくずめ』
『あぁ!?』

 急遽《神の宴》に参加することになった私だけど、今はセレーネ様と一緒に宴で必要なものを揃えるためにメインストリートに繰り出している。私は色々な神様たちが出席するような重要な場所に出たことがないため、上品な服とか綺麗なドレスとか持っていない。この買い物は宴に着て行く服装の準備だ。

 ただそれだけなのに周りからの視線がすごい。と言うか、セレーネ様の注目され具合が半端じゃない。

「ねぇねぇクレア、これ似合うんじゃないかなっ?」

 今私たちがいるのは北のメインストリート界隈の服飾専門店である。オラリオは全国から多種多様な種族が集まる場所のため、風土が入り混じった環境となっている。商人たちは目ざとくそこに気づき、地方中から集まってくる亜人(デミヒューマン)の客と店側が揉めあっているところを仲介し、種族ごとの専門店を数多く構えることで信頼と実績を勝ち取って見せた。北のメインストリートは大陸でも類を見ない数の服飾店が軒を連ねていると大評判だ。

 もちろん神様専用の服飾店もある。だからそこに行くつもりだったんだけど、どうしてかセレーネ様が「別にそんなのいいよー」と異族問わず色々な店を出入りしているのだ。
 外見は十八歳くらいの絶世の美女なんだけど、その子供っぽい好奇心と仕草で神様らしからぬ威厳が撒き散らされていた。まあ、異種族の衣装に手を出す風習はセレーネ様たち神様が下界に降臨されてから巻き起こりつつあるんだけど。

 で、そんなセレーネ様が手に持って私に差し出してくるのが、女戦士(アマゾネス)の正装(?)である。スリットの深さたるや恐るべし。

「き、着れませんよそんなきわどい服!?」
「えー? 良いと思うんだけどなぁ」

 セレーネ様の美的セン
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