閑話 第四話
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て不都合なことをしでかしてしまったか……?
様々な嫌な憶測が頭を過ぎるなか、【ヘラ・ファミリア】の徽章が施された赤い封蝋を呆気なく破り捨てたセレーネ様は上質な紙でしたためられた文章にさらさら目を通していく。因みに私は中身に爆弾でも入っているんじゃないかと思って身構えていました。
目を通しているセレーネ様が唐突に「うげっ」と声を漏らした。やはり何か仕掛けが!? と思った私だったけど、その前にセレーネ様が続けた。
「えぇ……よりにもよって今日やるのぉ……?」
「やる? 何をですか?」
「《神の宴》」
「? 神会じゃなくて?」
初めて聞いた単語に首を傾げた私にセレーネ様が丁寧に説明してくれた。通称《神の宴》と呼ばれる催しは神会が定例会議であるのに対し、こちらは一柱の神様が勝手に催す自主参加の集まりのこと。内容は単純に神様たちが集まって騒ぐだけの同窓会のようなものらしい。まあ【ゼウス・ファミリア】や【ヘラ・ファミリア】といった巨大派閥が主催者の場合は各々のファミリアの威厳を示したりして取り入ろうと画策する場に成り代わるらしいけど。
そんな訳で今回ヘラ様から頂いた手紙の内容は、【ヘラ・ファミリア】が主催する《神の宴》の招待状だったようだ。手紙の内容は神聖文字で記されてるから私には何て書いてあるか解らないけど、とにかく主催日は今日だったようだ。
まあ、この手紙を回収したのは今日の早朝だ。昨日は護衛より帰還してセレーネ様がそれどころじゃなかったから回収できなかった訳で、もしかしたら昨日にはすでに投函されていたかもしれない。セレーネ様も「ポスト? いや全く見てないけど」と言ってるし、下手したら私が出かけたその日には入っていた可能性もある。
いつも私がポストを見てるから強く言えないけど、セレーネ様、私が居ない時はポストくらい見てください……。
でもそれも仕方の無いことかもしれない。聞くと天界では煩わしい事が全く無かったらしいから、家事とかする機会そのものが無かったとのこと。いくら全知全能の神様とはいえ、経験したことない事に対応することは出来ないんだと言っていた。
因みにじゃあなんで料理は出来るのかと聞くと、やりたいことを探している内に料理も頑張ってたかららしい。その調子で掃除も頑張っていて欲しかったけど、さすがに無茶な要求だろう。
相変わらずカッターシャツとパンティ一枚という男性ならば軽く悩殺できるレベルの大胆な格好をしながら私を抱くセレーネ様は、招待状を丁寧に元に戻す。
「まぁ仕方ないかなぁ。ちょっと顔出しに行こうか」
「気乗りしないなら断りを入れれば良いんじゃないんですか?」
「断る理由もないし、あと最近ヘラの顔見てなかったからついでに見よ
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