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EFFECT
交渉 3−2
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。いい実験台を見つけた。


「ーーそこにおるのは誰じゃ...?」


 人狼の背後に《姿現し》でその場に降り立ったのは、見慣れた姿の老人。若干、慌てた様子なのは初めて見る。


「よお、爺様。夜の散歩か?」

「トール...! お主、ここで何をしておる」

「何って、動植物の採取に決まっているだろう。爺様には許可を貰っていたはずだが?」

「わしが許可したのは禁断の森だけじゃ」


 はて? いつの間に禁断の森を出たのだろうか。そもそも森を抜けた記憶は無い。ならば、ここはどこだと言うのだろうか。
 首を捻っていると、爺様から呆れたような溜息が漏れるのを聞いた。

 わざとではないと理解したらしい。
 人狼は俺を警戒しつつ、噛み付く隙を狙っていた。しかし、爺様が現れたことで状況は悪くなり、低い唸り声を響かせながら体勢を低くし、いつでも飛び出せる姿勢で構えている。

 逃がすわけが無いだろう。


「“動くな”!」

「グッガアァ...!!」

「危ない、危ない...。逃げられでもしたら大混乱に陥るところだ。おい爺様! こいつを匿える建物は無いのか!?」


 状況の把握が追い付いていない様子の爺様に簡単な説明をした後、その爺様の案内で“叫びの屋敷”へと移動した。
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