2部分:第二章
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てきた。
「殿、間も無く近江です」
「そうじゃな」
彼のその言葉に表情を変えず頷く信長だった。
「近江じゃ。となると」
「となると?」
「山中じゃな」
その集落のことを思い出したのである。
「あそこに入るのう」
ここであの物乞いのことも思い出した。
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