1期/ケイ編
K3 A・レンズ
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まることで軽減するしかないわ》
その上、戦っている最中にも、通信でA・レンズの特性や使い方を伝えるものだから、仮想ノイズと了子の知識面を教授する声、どちらに集中していいか分からず、やはり「MISSION FALES」の判定を食らった。
《せっかくバイザーがあるなら望遠モードなんかも使って、充分離れてノイズを狙撃してみなさい》
朝から夕方までは大学の講義に出て、夕方にバイト、夜は訓練と、ケイはハードな日々を送った。
《ほら見なさい。レーザー砲のコントロールに気を取られるから歌に集中できてない。フォニックゲインが高まらないと、威力が落ちるわよ》
だが、ケイはそれを後悔してはいなかった。給金を要求した上で「やる」と答えたのは小日向ケイだ。そのために必要なことを積み上げているだけだ。「仕事」のために「必要」ならケイは迷わないし悔いない。
《レーザー砲に鏡が付いてるでしょう? その部分はサーベルに見えるけど、実際は刃が潰してあって剣としては使えないの。それでも剣として使いたいなら、短時間だけ、フォニックゲインを纏わせてビームサーベルを形成するしかないわ》
――そして、ついに。
《今日までのトレーニングでだいぶ様になったわよ。もう実戦投入しても大丈夫♪》
「え!? たったあれだけでいいんですか? 俺、まだ的にも全然当たんねえし、反動でひっくり返るのだって完全に直ったわけじゃ」
《んー、そーねえ。そう言ってきっちりやるだけの猶予があればよかったんだけど》
「――明日の任務、ですか」
つい口にしたのは、明朝5時からスタートする、ノイズ退治とは異なる任務だった。
サクリスト「D」、デュランダル。EUの経済破綻で出た不良債権の一部肩代わりを条件に日本が譲り受けた、数少ない完全聖遺物、との能書きだ。RPGではよく目にした武器だが、まさか実物を拝む日が来ようとは夢にも思わなかった。
《アタシも色々準備しなきゃだし、今日はここまでってことで》
「……そう、ですよね。すいません、長々と引き留めちゃって。今日までありがとうございました」
ケイは天窓に向けて深く一礼した。
《もっとレベルアップしたくなったら、いつでもいらっしゃい。櫻井コーチがしっかりきっかりびっしり教えてアゲル♪》
「その時はよろしくお願いします」
ケイはA・レンズのギアを解除してから、トレーニングルームを出て帰路に着いた。
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