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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico26次元世界を侵すモノ〜Antiquitas Phantasia〜
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――罪人捕えて罰せしは闇棺(エロジオン・ノワール)――

レーゼフェアが魔術を発動すると“ネグロ”が「なっ・・・!?」驚愕の声を上げる。“ネグロ”の影が蠢いたかと思えば彼の足を伝って全身を呑み込んでいくのだ。そして影はとうとう“ネグロ”の手まで覆うと、彼の手から“ヤーヌス”が零れ落ち、通路の床に転がった。

「なになに? 羽根ペン? コレ、神器? 壁に何書いてんの? Midchild・・・ミッドチルド? あはは、aが無い、aが抜けてるよ。バッカで〜♪」

レーゼフェアは“ヤーヌス”を拾い上げ、壁に書かれたミッド語を見て笑い声を上げた。そして、ここでシュヴァリエルや神器たちにとって想定外の出来事が起きた。シュヴァリエルにとっては最悪で、神器たちにとっては最高の出来事が。

「僕が続きを書いてあげるよ。Midchildにaを書き足して〜、はい、ミッドチルダ♪」

ここで“ヤーヌス・ポルタ”の能力が発動。シュヴァリエルにしがみ付いていた“クピドゥス・グノスィ”、“ブリギッド・スミス・テトラデカ”、それに“インペリウム・インシグネ・オクト”、“ネグロ・リベルタ”、“ヤーヌス・ポルタ”の姿が一斉に薄らいだ。シュヴァリエルが慌てて壁面に書かれたMidchildaを壊してでも消そうとしたが、それより早く神器たちの姿は消えた。

「お? 消えた? すご〜い!」

「この馬鹿がぁぁぁぁーーーーッ!!」

レーゼフェアの大ポカにシュヴァリエルが怒声を上げ、「ぎゃん!? いっったぁぁ〜〜〜い!」彼女の頭に強烈なゲンコツを振り下ろした。レーゼフェアは両手で頭を抱え、床を転げ回った。

「シュヴァリエルさん・・・!?」

「あれ? 俺たち何をやって・・・?」

“インペリウム”の神器能力が解除されたことで見回り班も正気に戻り、小首を傾げ合っている。そんな彼らに「兵を集めろ、蔵の確認だ!」シュヴァリエルが指示を飛ばす。見回り班は現状把握を後回しにして「はいっ!」即答し、通信を繋げ始めた。シュヴァリエルも「俺だ。動ける奴は今すぐ出撃準備だ!」と蒐集実行部隊に連絡を取った。

「ねえ、僕、なんで殴られたの?」

「こんの・・・! 俺たちがっ、回収したっ、神器のっ、脱出をっ、お前がっ、手助けっ、し、た、ん、だっ!」

「痛い痛い痛い」

シュヴァリエルが人差し指でレーゼフェアの額をツンツン、ツンツン、ツンツン、突いて突いて突きまくった。いよいよ半泣きになるレーゼフェアは「ぼーく、たーいさん☆」と、魔術・影渡りを発動。レーゼフェアは彼女自身の影を使って何処かへと空間移動した。

「逃げやがった、あんにゃろう・・・。あーあ。どうするんだよ。ボスに怒られんの俺だろ、これ・・・って、あの2つは無事なんだろうな! サテッリス・ラーデ
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