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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico26次元世界を侵すモノ〜Antiquitas Phantasia〜
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惰眠に比べればどうってことない。ルシリオン陛下と迎えに来てくれればそれでいい」

「判った。ネグロ・リベルタ。俺を使え!」

“ヤーヌス・ポルタ”の輪郭が粒子状に崩れたかと思えばすぐに再結集し、“ネグロ”の右手に黒い羽根を飾りとした筆が1本とあった。それこそが“ヤーヌス・ポルタ”の本来の姿。羽ペン型の魔像兵装。“ネグロ”はその羽ペン――“ヤーヌス”を使って壁面に幾何学模様の羅列を記した。

『よし、サインは書いたな。これで全部屋が繋がった! あとは転生先の名前を書くだけで転送できるぞ!』

魔造兵装番外位・“ヤークト・ポルタ”。羽ペン型の神器で、空間接続を行えるサインを描き、最後に転移先の場所の名前を記すことで、サインが描かれた場所に在る物を纏めて転送できる、というものだ。もちろん転送したい物や範囲を設定することも可能だ。

「急いで! 私ではシュヴァリエルを押さえ・・・きゃあああああ!」

「逃がすかよ!」

神器・“ブリギッド”を手にシュヴァリエルと闘っていた“クピドゥス”が悲鳴を上げる。シュヴァリエルは、“クピドゥス”の振るう“ブリギッド”の斬撃を全て紙一重で躱し、腹部に掌底を打ち込んだのだ。いかにシュヴァリエルの体に傷を付けられるほどの神秘を有す神器であろうとも、当たらなければ意味は無かった。

「邪魔はさせない・・・!」

「・・・・っ!」

“ネグロ”に向かおうとしていたシュヴァリエルの腕や足にしがみ付く“クピドゥス”と、神器化を解いた“ブリギッド”。シュヴァリエルはそれに構わず歩き続ける。2人の膂力や体重ではシュヴァリエルの力には敵わない。だが拙いながらも“ネグロ”は文字を速く書いていく。あと少しで書き終わるという時・・・


「とりあえず止めるけど、それでいいんだよね〜? シュヴァリエル♪」


新たに追加される声は少女のもの。出所は“ネグロ”の足元――彼の影からだ。その影から音もなく姿を現したのは「レーゼフェアか。久しぶりに顔を出したな」闇黒系の“堕天使エグリゴリ”・レーゼフェア・ブリュンヒルデ・ヴァルキュリアだった。
レーゼフェアは“ネグロ”の後ろから抱きつくようにして、“ヤーヌス”を持つ右手首を押さえた。あと僅かで書き終えるはずだったMidchildaの最後の文字であるa。だがレーゼフェアの出現によって遮られた。それはつまり神器である彼らの希望が途絶えたことを意味した。

「よっ、久しぶり〜。僕は最近ね〜、面白い玩具を見つけたんだよ〜♪ プライソンとかいう科学者で〜、生意気なんだけど、一緒に居て楽しいんだよ。これが結構なぶっ飛び野郎でさ〜♪ 聖王のゆりかごとかいう兵器などを使って戦争を起こ――」

「そんな事はどうでもいいから、ソイツらを捕まえろ」

「あいあーい♪」

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