二度目の急展開
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」
いっそ漫才でもやっているのかと錯覚するぐらい、戦闘の始まり方は酷いものだった。
さっき、此方の喋りに付き合わないと知ったばかりなのに、何故悠長に台詞をかまして、乗っけから拳を喰らっているのだろうか。
空中を三回転し何とか大勢を直して、ダークグラスパーは着地し『ダークネスグレイヴ』を構える。
「戦士としての誇りも矜持も無い、そんな貴様に最早容赦はせなああっ!?」
「……」
「う! わっ! ちょ、これ、コレ危な、とっ!? 重……ぶへあ!!」
右アッパー、右フックに左ジャブから左裏拳、また左ジャブから右拳によるストレートへつなげ、交互に拳での連突を開始。
速さを重視したラッシュから一転、隙をついて“何か”により一回り大きさを増した右拳へ、当たり前に人間離れした体重を乗せて叩きこみ、防除した鎌ごとダークグラスパーを壁際へと吹き飛ばす。
防いでも衝撃が重く、拳を受ければKO必至で、おまけに強引に叩きつけられダメージを負う。
直撃だけは防がねばならないと、ダークグラスパーは無限で自身に活を入れた。
鎌の柄をひっかけ、回転させて柄を上に擡げ、間、髪を入れずに振り下ろして打撃。更に後ろへ回った鎌刃も振り切り、おまけで回転させる。
そうやって何とか凌ぐダークグラスパーの動きも、流石と言うべきか直属の精鋭部隊に相応しいモノではあるが、相手は基礎力でも技術でも先を行く。
回転させねじられた体制を利用してタックルし、体重を支えきれなくなったダークグラスパーへ、左足を振り上げ迫らせる。
負けじと振り下ろされる一撃に力で打ち勝ち、上がったガードの隙を突いて、脚を振り下ろすや否や右ストレート。
またも後を追って襲い掛かった“何か”にぶつかり、勢いよく弾き飛んだ彼女を負って跳躍すれば、ダークグラスパーは追撃を避けるべく武器を振り上げるが、一瞬タイミングを遅らせて鎌をつかむと、そのまま投げ飛ばし壁へ打ちつける。
心・技・体……全てで実力差があり過ぎた。
「まだじゃっ! 妾にはまだこれがある―――『カオシック・インフィニット』ォォォッ!!」
彼女の叫び声に呼応して眼鏡が輝き、∞の字を描く黒き円環が、炎碗を持つ黒肌のエレメリアンを包み込み、やがて黒い球体となると、キュボッと音を立てて虚空へ消え去った。
この技は彼女が相手に精神的苦痛や、脱出不可能な楽園を齎すために生み出した技で有り、闇で相手を包み込む事によって、永久なる幻覚を見せる技なのだ。
更に彼女が用意した異空間へと連れ去ることで、永遠に苦しめる事も麻薬におぼれさせる事も出来る。
特に精神そのものであるエレメリアンならば、己にとって耐え難い苦痛を延々浴びせられれば、摩
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