2期/ヨハン編
K10 Dancing in the Midnight
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ズを呼び出すことはしなかった。
「あなた方のお相手は『彼』にしていただきます」
ウェルの言葉を待っていたかのように、岩で死角になっていた位置から一つの影が躍り出た。
「あいつ今朝のッ!」
クリスが一番に影の正体を看破した。F.I.S.側の4人目の装者。
すでに彼のギアはエレキギターとドラムの音で伴奏を鳴らし、彼の歌を待っている。
クリスが砲弾を斉射した。彼が空中にいる内に落とそうという考えだろう。
「――『他人に食い物にされた人生が 本当に蛇の食い物で終わった』 」
まるで歩くように自然に、彼の歌は始まった。低音域のラップがおどろおどろしい。
彼はバスタードソードを左から右へ一閃した。砲弾が空中で誘爆し、夜空を一瞬明るくする。
「 『小さな君はケージの中 可愛い顔をしかめた』 」
彼は落下の勢いも乗せてまずクリスに斬りかかった。クリスが避ける。
翼は入れ替わりに彼と切り結んだ。相手の得物も剣。ならば翼がぶつかるのが相応だ。
圧し合って跳びずさると、彼は白金の大剣を居合のように左脇に隠した。
《波形パターン該当なし。あの少女たちと同様、二課のデータにない聖遺物のシンフォギアです》
友里の解析に返事をする余裕はない。翼もブレードを正眼に構え直し、彼を観察する。
――おそらくはどの装者よりも軽装であろうギアの、モノクロのデザイン。バイザーで隠れた目。闇に溶けそうに思えて闇に浮いているのは、彼が右手に持つ白金のバスタードソードゆえか。
「 『でも、気づかない? 君の腹は満杯じゃないか』 『蛇の大・大・大好きな味』ッッ!!」
白金の刀身と銀の刃がぶつかる。衝撃が、翼の腕に重く伝わった。
「 『消耗、啓蒙、呑み込もう こいつはちょっと臭いしマズイが』ッ! 」
互いに刀身を折らんばかりに刀身をぶつけ合う。剣はぶつかるたびに火花を散らした。
三合。十合。二十合を超えた時だった。
「 『これでも舌は肥えてるほうでね』……」
「くぅあ!」
押し負けた。胴体が空いた。
「翼さん!」
「 『悪夢みたいに』……」
響だ。彼女は翼と彼の間に割り込んで拳を突き出した。
翼を斬るために上段に振り被った彼の胴体もまたガラ空きだ。ここで響の撃槍によるパンチを腹に食らえば一溜りもあるまい。
「 『素敵なメインディッシュ』 !!」
彼はバスタードソードを振り下ろさなかった。
代わりに、刀身の橙の模様が光り、響と翼を金光が焼いた。
ナスターシャたちはエアキャリアの中から外の戦いを見守っていた。
「出たデス! ヨハンのアームドギアっ」
切歌が歓声を上げた。
「
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