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鐘を鳴らす者が二人いるのは間違っているだろうか
13.頼むだけなら誰でも出来る
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』説で二分しているようだけど………そんなに気にする事かな?」
「神々の間ではそれ以上に沢山の憶測が飛び交っていましてよ?貴方たちと仲が良いロキの報告を待つばかりですわね」
「いやよくないから。あり得ないから。………二人は、あれから何か感じなかったかい?あの光から、さ」

 ヘファイストスは考えるように指を顎に当てる。

「う〜ん……光を直接見れば感じるものはあったかもしれないけど、生憎工房に籠ってたからなんとも。良い印象はなかったけど、それだけだね」
「そっか………」
「直接目で見た神々は、多くが不信感を募らせてるようですわね。かくいう私も……あの光は気に入らない」

 一瞬、ほんの一瞬だけフレイヤの声から一切の熱が消えた。
 これだからフレイヤは怖い。美の神であるが故に、美を感じなかったものにはどこまでも情がない。遠巻きに見ていた神々は気付かなかったらしいが、ヘスティアとヘファイストスにはその凍りつくような冷たさが感じ取れた。

「――それはそれとして。私としてはヘスティア・ファミリアに加わったというお二人に興味があるわ。聞かせてもらえないかしら?」
「ああ、それは私も気になる」
「なぬ!?聞きたい?聞きたいの!?ウチの自慢のファミリアのことを聞きたいの!?どーしよっかなーでも聞きたいって態々いうんならしょうがないなぁー……ようし、特別に教えてあげようじゃないか!」
(ウザっ……)

 その後、ファミリアの話でリングアベルの困ったちゃんぶりを愚痴ったり、ベルの可愛さを語ったりとちょくちょく話をして、ヘスティアは神の宴を楽しんだ。
 しかし、今回彼女がここに来たのは遊びに来たわけでも、情報収集しに来たわけでもない。いや、まったくないかと問われればちょっぴりあったのだが、ともかくそれは本題ではないのだ。

 言わなければ。今言わなければもうタイミングがない。
 フレイヤも既に別の所へ行ってしまったし、頼むなら今しかない。

「――ねえヘファイストス。恥を忍んで頼みがあるんだけど………」



 = =



 豊饒の女主人。
 かつてリングアベルが訪れ、女将のミア・グランドを本気で口説こうとするという前代未聞の大偉業を達成した冒険者御用達の飲み屋である。その伝説は既に酒場を通してあちこちに拡散されており、今ではこの酒場でリングアベルは伝説の男である。

「レジェンドニャ!生けるレジェンドとその後輩が来たニャー!!」
「お客様2名入りまーす!!」
「あ、あれがレジェンド……なんというモテオーラ力!」
「あのミアさんが認めた色男……!守備範囲が広すぎるぜ!」

 周辺からよく分からない羨望や畏敬の視線を一身に浴びつつ、リングアベルとベルが店に入る。
 誰彼かまわず口説きまくる客は大抵
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