暁 〜小説投稿サイト〜
異世界系暗殺者
甘い時間・1時間目(2016/03/30 一部修正)
[1/3]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


【視点:樹】



夏休み4日目。今日は烏間先生が不在の為、予定されていた暗殺訓練が中止となった。烏間先生の部下の人から聞いた話では、夏休み中の俺達の特別講師としてある人物に来て貰う為、直接交渉しに行ったのだとか。

故に今日はA・T訓練も急遽中止となり、各自思い思いの1日を過ごすことになった。ちなみに俺は、夏休みの宿題を今日中にいくつか終わらせようと思っている。

俺、長期休暇で出された宿題とか基本的に最初の方で終わらせておく派なんだよな。で、終わらせてから命懸けで遊びまくる派でもある。

そんな訳で俺は宿題を始めようとしたんだが、その矢先に家の呼び鈴が鳴り、出鼻を挫かれてしまった。一体誰だ?

そんなことを思いながら玄関を出て門に行くと、そこには夏仕様の清楚な私服を着た有希子が立っていた。


「有希子?どうしたんだ?」
「えっと、一緒に夏休みの宿題しようと思って。……来ちゃった」
「………有希子。女の子の「来ちゃった」発言は、男のハートを撃ち抜く必殺ワードでしかないから、絶対に俺以外に使うな」
「イッキ君にしか使わないから、心配の必要ないよ」
「ッ!………取り敢えず、家の中に入ろうか。夏休みの宿題も2人でやったら早く終わるだろうし」
「うん」


別に狙ってやってる訳じゃないんだろうけど、付き合い始めてから有希子は常に俺の心を鷲掴みにしてくる。このままだと、いつか俺の理性が壊れそうで怖い。何か対策を考えないとな。

そんなことを考えながら俺は有希子をリビングへと案内し、冷たい飲み物を出した後、夏休みの宿題一式を自室へと取りに行った。

そして、宿題一式と共にリビングへと戻って来た俺は、有希子の隣の席に腰掛け、宿題に取り掛かった。

ん?さっき理性云々と言ってたのに、普通に隣の席に座るとか意味不明?いや、一緒に勉強するのに向かいの席に座る方が意味不明だろ。分からない所を聞かれた時に教え難いし、身を乗り出して教えるとか面倒臭いことこの上ないと思うぞ。

ちなみに、俺と有希子は勉強を始めると必要不可欠な会話―――問題に対する質問以外の会話をしなくなるタイプで、2人だけなら問題無いんだが、複数人で行う勉強会などでは何故か場の空気が重くなってしまったりする。

期末テスト勉強強化合宿でも、俺達が並んで座って勉強していると、茅野や矢田、倉橋から会話が無いから空気が重いとツッコミを受けた。逆に片岡や速水からは静かで勉強に集中し易いと言われたけどな。

最初に始めたのが国語の宿題ということもあり、リビングに響くのは殆どシャーペンの走る音のみ。極偶に有希子が分からない所を質問してきたが、それも40〜50分置きに1回のペースだ。

そんな感じで宿題を片していると、あっという間に時間が過ぎて行
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ