暁 〜小説投稿サイト〜
ダンジョンに転生者が来るのは間違っているだろうか
ウダイオス
[5/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
気の沙汰ではない。

「……まぁ、関係ないけど」

【物干し竿】を肩に担ぎ、獲物を睨む。
戦車で特攻、とかそんな作戦も考えていたが、止めておこう。
俺と同じくこいつに挑もうとしていた年下の少女は己の剣一本で勝つつもりだったのだ。
なら俺も、【物干し竿】(こいつ)一本でやってやろうじゃねぇか。じゃなきゃ、格好悪いしな

先日、クラネル君に言われたことを思い出す。

【剣姫】と並ぶ、とかそんなことを言われたのだ。

これはただの俺の意地。冒険者になって五年経つが、こういう負けず嫌いなところは前世の時と変わらないのかねぇ

「……んじゃ、とっとと終わらせるか」

そう呟いて駆け出したのは、【剣姫】とほぼ同じタイミングだった




ーーーーーーーーーー



「【目覚めよ(テンペスト)】」

俺の背後を駆けていた【剣姫】が何かを呟いた。
振り返ることはしないが……魔法か?

僅かながらにも魔力の気配を感じた俺はそう推測する。
【剣姫】のやつ、魔法が使えたのか。
どんな魔法なのかは知らないが、今の超短文詠唱を聞く限り、それほど威力のあるものではないはずだ。

と、そんなことを考えていると

いつの間にか【剣姫】に先行されていた

「はっ!?」

思わず声が出た。
嘘だろおい、敏捷じゃ、こっちの方が上なはずだろ!?
現に先程までは俺の方が速かったんだ。

クッ、と前をいく【剣姫】を見ると、そこでとある変化に気付いた。
風だ

【剣姫】の体を風が覆っているのだ。

「それが、お前の魔法かっ……!」

返事はない。が、その声に反応したかのようにウダイオスが吠える。

『オオオオオオオオオオオオオオオオ!!』

「「っ!!」」

【剣姫】は飛び、俺は進行方向を変えることでその場から退く。
所詮、第六感というやつだ。アサシンの力はしっかりと働いてくれているらしい。

あのまま走っていれば、地面から飛び出した逆杭(パイル)にやられてた。


ウダイオスは、下半身を地面に埋めているため、移動ができない。
だが、それを補うためなのか、ある特殊な戦いかたをする。

この三十七階層のルーム、その地面には先程のパイルが大量に埋まっているのだ。
もちろん、タイミングはウダイオスの自由。
ようは、パイルもウダイオスの体の一部のようなものだ。
つまりだ。このルームにウダイオスの死角はない。なんじゃそりゃ

「チッ、身軽だなおい」

魔法の効果なのか、短時間ではあるものの【剣姫】が空を飛んでいる。
俺の飛行手段は神威の車輪(ゴルディアス・ホイール)のみなため、地を走るしかない。

『オオオオオオオオ!!』

いち早くウダイオスへと接
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ