水竜・・・散る
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竜の・・・」
「!!」
カミューニは上を見上げる。そこには先程まで自分が追い詰めていたはずのシリルがいた。
「翼撃!!」
「ぐおっ!!」
シリルの攻撃に反応できず、カミューニはダメージを受ける。
「水竜の鉄拳!!」
「なっ!!」
続けざまにシリルは魔法をカミューニに向ける。カミューニは体勢が崩れていたため、それを受けてしまった。
「水竜の鉤爪!!」
「うおっ!!」
「水竜の砕牙!!」
「がっ!!」
シリルの怒濤のラッシュ。カミューニはそれをなすすべなく受けている。
「水竜の咆哮!!」
「ぐああああ!!」
カミューニはシリルの魔法に吹き飛ばされる。そして・・・
「滅竜奥義!!」
「!?」
シリルは腕に水を纏い、カミューニに飛びかかる。
「水中海嵐舞!!」
「このぉ!!」
この時、カミューニは冷静さを欠いていた。
先程までは、シリルを殺さないようにと力をセーブしていた。それゆえにシリルが反撃をしてきた際には実力が均衡してしまっており、シリルの攻撃を返すすべがなかった。
だが、シリルのラッシュに自分自身が危ないと察すると、本来の力を解放し、滅竜奥義を仕掛けてきたシリルに対しての力のセーブを忘れてしまい、
ビュンッ
カミューニの最強の魔法、一点集中波が・・・
グサッ
シリルの頭を貫いた。
「やべぇ!!」
カミューニは慌てて腕を引っ込める。しかし、時すでに遅し。
(あれ・・・?俺、頭を撃ち抜かれたのに・・・なんでこんなに意識がはっきりしてんだ?)
シリルはなぜか意識のある自分に驚いている。その視界に、泣きそうな顔の少女と白い猫と茶色の猫が入る。三人は何かを叫んでいるが、シリルにはそれが聞こえない。
(ウェンディ・・・なんでそんなに泣いてんだよ・・・もしかして・・・俺のせい?)
シリルは少女の顔を見てそう思う。
『ところで・・・お前はいつウェンディにコクるのだ?』
次第に海へと近づいていくシリルは、ふとエドラスの自分の言葉を思い出す。
(そう言えば・・・俺、ウェンディに気持ちを伝えてなかったな・・・もしかして、エドシリルはこうなることまで予測してたのかな?だから俺にあんなことを言ったのか?)
もう確認することのできない事実を、シリルは考えている。
(あ〜あ・・・こうなるんだったら・・・ちゃんと自分の気持ちを伝えておくんだった・・・)
シリルは自分の行動に後悔する。
(そうだ・・・これだけは・・・言わせてほしいな・・・)
シリルはもうほとんどない意識と動かない体で、ウェンディに言う。
「ごめんウェンディ・・・
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