第五十三話【sts編その2】
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先日のはやてさんとのやり取り。
その結果俺達はまだこの時代に居る。ヴィヴィオを助けるために。
ヴィヴィオを助ける。ただそれだけだが、そう単純には行かない。
俺達に出来るのは戦力の供給だけ。
まあ、昔取った杵柄で潜入や諜報も出来ないわけじゃないけど、今は必要ないだろう。
管理局地上本部の襲撃という大きな事件になっているのだし、メンツを賭けて事態の鎮圧に向かうだろう。
一種の権力の誇示だ。そこに部外者は立ち入れない。
だから正規の手段でヴィヴィオを助けるために俺たちは今はやてさんの好意で『嘱託魔導師試験前見習い所属』と、かなりグレーゾーン…いや、アウトだけど今の混乱に乗じてはやてさんの直属で六課に協力できる戦力としての立場を手に入れた。
この事ではやてさんにはいらない苦労をかけるし、俺達が帰った後にも迷惑を掛けてしまう。しかしそんな俺達の頼みを嫌な顔しないで引き受けてくれた。
戦力が足りないという現状に打算的な思惑があったとしても、俺はそれに感謝している。
ヴィヴィオを助けるために何かしたい。それは俺の我がままなのだから。
アースラ内、訓練室にて。
今、目の前でなのはとエリオの模擬戦が行われている。
「はぁっ!」
エリオが手に持ったストラーダを横なぎに振るう。
それをバックステップで回避したなのはは着地し足で踏み込んでレイジングハートでチャージ。
「ふっ」
模擬戦なのでバリアジャケットを抜くような事はしない。
「がぁっ!」
ズザザザーーッ
両足で地面を擦って衝撃に耐えるエリオ。
「横なぎをかわされた後に若干硬直時間がある。なのはに反撃されて分っただろうが強者相手にその隙は命取りだ。相手が機械ならば尚更だ」
「はいっ」
俺の叱咤の声に負けじと返事を返すエリオ。
何故なのはとエリオが模擬戦をしているかと言うと、エリオに頼まれたからだ。
この間の撃墜で思うことが有ったらしい。
最初は俺にお願いしてきたのだが、デバイス同士での魔導師戦では同じ長物が武器のなのはの方が得るものが大きいだろうとなのはに頼んで変わってもらった。
最初は女の子であるなのはに遠慮するようにストラーダを振っていたが、その攻撃が全く通用しないと分るとがむしゃらに当たる様になった。
「もう一度お願いします!」
「うん」
なのはもエリオの真摯さに手加減はするが真剣に対応している。
エリオは年齢にしたらその技術は高い方だ。電気への魔力変換資質にも恵まれ、高機動戦闘やその突破力は凄まじい物があるだろう。
しかし、まだまだ経験が足りていない。
「ストラーダ!」
エリオが吼える。
『ヤヴォール』
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