第五十三話【sts編その2】
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ど、まず俺たちを保護してくれたはやてさんにきちんと挨拶しなければならないし、今はこんな状況でなかなか余裕も無いだろうから、今すぐと言うわけにはいかないかな」
本当は今すぐに帰りたいのだけど。
「そうなんだ」
「とは言え、無一文だからね。ここで生きる気が無い以上、出来るだけ早く帰らなければならないね」
今は衣食住共はやてさん達に頼りっきりだ。
「…そうだね」
俺の言葉に少し表情が曇る。
「…寂しくなるね」
寂しいか…
とは言え、彼女らと過ごした時間はグリード・アイランドに居た時間よりも少ない。
ヴィヴィオとの邂逅なんてそれこそほんの一日だ。
だけど…
俺はたった一日だけ出会った少女の事をソラ達に打ち明け、相談する事にした。
後日、ようやく何とか時間が取れたようではやてさんが俺たちが滞在するホテルへと訪ねてくれた。
ホテルに備え付けのソファを勧め、俺たちはベッドに腰掛ける。
「ごめんな。もう少しはよう時間が取れたらよかったんやけど」
「いえ、今は大変な時期ですからね」
そう言ってもらえると助かると彼女は言った。
「それで、全員で帰ってきたゆうんは無事に帰還アイテムを取得できた言うことでええか?」
「はい」
「そうか。それでいつ帰るん?今私らこんな状況やから見送りとかはできへんけど。無事に帰れることを願ってるわ」
「そうですね…それはあなたに借りを返してからですかね」
「は?」
眉根を寄せていぶかしげな表情をするはやてさん。
「保護してもらって、衣食住の面倒も見てもらった。この世界で何も持っていなかった俺たちに差し伸べてくれた手は義務や同情などであっても俺達は感謝しているんです」
「いや、それはぜんぜんきにせぇへんでもええよ?当然の事をしたまでや」
その当然の事と言い切れるはやてさんは本当に優しい人だろうし、そうと分っていてもそれを実行できる人は少ない。
「まあ、邪魔だと言うならば直ぐに俺達は帰ります。…だけど、今の事件を解決するのに俺達の力を使ってみませんか?」
「はぁ?」
数日後、俺達はつい一月ほど前に乗艦した戦艦、アースラへと乗船している。
このアースラが機動六課の臨時本部兼住居だとはやてさんに言われたときは失礼ながら頭の螺子がいかれたのかと思ったけれど、実際、移動式の本部と言うのは中々にフットワークが軽いのではなかろうか?
この船が廃艦間際だという話を聞いて船内を見渡すと、やはりあちこちくたびれた様子がうかがえる。
この世界に来て初めて時間の流れをうかがわせる物に感慨を感じる。
なのはさんとかは、まぁ驚きの方が先に来て感慨とか感じる暇がなかったからねぇ。
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