暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百十五幕 「ゲームセットは無常なるもの」
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
力だ。ユウは体を支えるふりをして、さりげなく右掌をくノ一に見えない角度にした。

「ん?お母さんそろそろ帰らなきゃいけないんだけどなぁに?お別れのキス?」
「ふざけたこと言ってるとぶん殴…………丑の刻参りで呪いますよ」
「ぶん殴れるかどうか怪しいから呪いで妥協した!?」

 事実、未だにぶん殴れていないことを気に病んでいるユウだった。

「ま、まぁそれはいいとして……何かしら?」
「そうですね……まず、貴方が不可視の嵐とかいう格好つけた名前を付けてる銃撃は、銃口が複数ありますね。数は最低で4つ、それもガドリング連発弾の類。多用していない所を見ると、隠したいからくりがあるらしい。さらに言えば、その銃口は貴方の雷陰の極近くでしか発射が出来ないんじゃないですか?」
「……ふーん。ただ撃たれてるのも癪だから分析してたわけね?じゃあ一発私に当てたご褒美に一つだけ答えてあげる。貴方の推理は概ね正解よ。それ以上はオンナの秘密だから言えないけど」

 襲いくる弾は発砲音に混ざって独特のモーター回転音が混ざっており狙いもアサルトライフルやマシンガンに比べて大雑把だったため、ユウは小型ガドリングだと踏んだ。
 加え、発砲の角度が必ず雷陰とそう離れていない場所からであり、背後など真逆からの弾丸が来なかったことから、BT系の独立兵装である線は完全に消えた。さらに言うならば、先ほどの銃撃で雷陰はおおよそ風花百華と打鉄弐式の直線状からの発砲だったということは、その場所が銃撃するのに都合が良かったからとも考えられる。

「そこで少し疑問に思ったことがある。つまり、何故あのミサイルガドリングを使用しないのかってことだ。あれの火力なら、それこそ僕と簪をこの空間に縛り付けながら一方的な銃撃を加えるくらい訳はない。なのに何故しないのか……それは、爆風でこの滞留する煙幕の拡散がさらに進むのを怖れたからだ」
「えー。別に煙幕くらいいつだって張り直せるから大丈夫だしぃー」
「本当にそうですかね?確かに煙幕を張り直すのは簡単でしょう。でも、この空間の煙幕は段々と薄れている。当たり前といえば当たり前ですね?今は風がさほど出ていませんが、遮蔽物のないこの場所では当然煙幕は拡散される。なのにたった今こうやって説明している間にも、貴方は煙幕を使わない」

 簪はその話を聞いて確かに、と思った。向こうはこの最悪の視界の中でも縦横無尽に動き回れるのだから手加減の必要はないだろう。
 そもそも、やるならば徹底的に煙幕をばらまいて完全に視界をシャットアウトできるほどの濃度にすればいい。そうすれば視界を完全に奪った状態での戦闘が可能だ。

「最初は人を舐めてるのか、いざという時のために取ってあるのかといろいろ邪推したんですけどね……なんか違う。戦闘に於いて態とうすぼんやり姿を見
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ