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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百十五幕 「ゲームセットは無常なるもの」
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何か、手がかりはないのか。
右を防げば左から、左を防げば右から、縦横無尽に闇の世界を駆け回る幻影が、銃弾と鞭の嵐で一方的に責め立ててくる。腕にバリアを展開してガードしようとしても、銃弾はその動きをあざ笑うかの如くそれをすり抜けていく。
既にそれは勝負とは言えず、ただの蹂躙でしかなかった。火薬と硝煙が充満し、鉛玉がぶちまけられる癖に命だけは散らない、嘘っぱちの戦場。そんな場所においてさえ、ユウは後れを取って弾丸を叩きこまれる。
「がはぁぁッ!?う、ぐ………」
幾度となく襲った衝撃で既に体中に疲労が蓄積し、呼吸が荒くなっていく。
何とか意識だけでも繋げようと必死で踏ん張り、何とか思考と反射のパフォーマンスだけは保つ。
日々のトレーニングで鍛えた、マラソンのような状況で求められる忍耐力。それだけがユウを無理やり動かしていた。
だが、それだけだ。
「ほぉら、よそ見しないッ!!」
「うあぁッ!?う、後ろか――」
背中に衝撃。背後からの襲撃かと思い、捉えようと素早く反転して拳を振るう。
拳は空を切り、その瞬間に左側面から閃光の刃が迸った。
「ハイ残念左でしたー♪それそれッ!!」
「うぐあああああッ!!ぐ、う……目眩ましをいいことにやりたい放題に!突然やって来たと思ったら人を襲って、手を抜いてるのか本気なのかも分からない……貴方は一体何なんだ!!」
「あれあれぇ?直接ふんじばって吐かせるとか意気込んでた勇ましいユウちゃんはどこ行っちゃったのかなぁ?」
「誤魔化すなっ!!」
声を頼りに目星をつけた方向に足元の砂を蹴りあげ、砂粒の反射音に集中する。
距離はおよそ4メートル、右方向。ステップを踏むように一歩で飛び出して、全力で拳を振るう。
「おりゃぁぁぁッ!!」
「うわっとぉ!?砂粒をレーダー替わりにした訳?原始的だけど有効ではあるね!ちょっとだけカスっちゃったよ?」
「この、ふざけるのも大概に……がぁぁぁッ!?」
前触れもなく飛来した銃弾が次々に左肩に着弾し、追撃に移れずたたらを踏んだ。
まただ、あの見えない弾丸だ。避け損なったせいでバランスを崩し、バリアエネルギーの残量が半分を切った。
――まずい、狙い撃ちにされる。
だが、咄嗟に無茶でもいいから体を逸らそうと力を込めようとしたその行動は、簪の言葉によって止められた。
「ユウ、動かないで!!」
「なっ、でも!」
「いいからお願い!!」
強い口調に辛うじて留まった。この状況でその場に留まれとは何を考えているのか――とは思ったが、その瞬間を狙いすましたように、ユウの目の前と背後を打鉄弐式の『春雷』の砲撃が通り抜けた。
「のわぁッ!?危なぁッ!?」
目の前を超高熱の砲撃が通り過ぎ、
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