第一章
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サーカスの少女
ディル=ドゥリットルはその時ただ皆と遊んでいるだけだった、だがそこに不意にだった。
ピエロが来てだ、剽軽な仕草を交えて彼女達に言って来た。
「さあさあ、皆楽しい奴等が来たよ」
「楽しい奴等?」
「楽しいっていったら」
「サーカスが来るよ」
こう小さな子供達に言うのだ。
「この街に」
「えっ、サーカス!?」
「サーカスが来るんだ」
「じゃあ皆でそこに行って」
「サーカスを観に」
「是非来てくれよ」
ピエロは子供達におどけた仕草でまた言った。
「僕もいるからね」
「おじさんも?」
「ピエロのおじさんもいるの?」
「おじさんじゃないよ、お兄さんだよ」
ここはこう言うのだった。
「その僕のことも楽しんでくれよ」
「じゃあお父さんとお母さんに話して」
「それでだね」
「皆で一緒に行って」
「楽しもうか」
「そうしよう」
子供達も言ってだ、そしてだった。
ピエロが帰った後でだ、皆で話をした。
「行く?」
「うん、楽しそうだしね」
「それじゃあね」
「お父さんとお母さんにお話してね」
「それでお父さん達が許してくれたら」
「それで」
是非にという口調で話してだ、そしてだった。
皆で行こうという話になった、その話の後で。
ディルは隣の家の男の子タスク=クラインにだ、こう問うた。
「タスク君も行くよね」
「うん、お父さんとお母さんが許してくれたらね」
その時はとだ、タスクはディルに答えた。
「そうするよ」
「そうなのね」
「ディルちゃんもだよね」
「うん」
ディルはタスクの問いにあどけない口調で答えた。
「お父さんとお母さんがいいって言ったら」
「その時はだね」
「行くから」
「お父さん達が許してくれたらいいね」
「そうよね」
こうも話す二人だった。
「それじゃあ」
「一緒に行けたらいいね」
「その時はね」
こう二人で話してだ、ディルは家に帰った。そして家で両親に話すとだった。
二人は笑顔でだ、ディルに答えたのだった。
「よし、それじゃあな」
「一緒に行きましょう、家族でね」
「いいの?」
「ああ、折角だからな」
「折角街に来たからね」
そのサーカスの一団体がというのだ。
「ディルはまだサーカスを観たことがないな」
「じゃあいい機会でもあるわ」
「サーカスがどんなものか観るんだ」
「物凄く楽しいからね」
「じゃあ皆ともね」
そのサーカスの観客席で会おうとも言ってだ、そしてだった。
ディルは母におめかしをしてもらってから家を出た、長いブロンドの髪に櫛をよく通してから後ろで束ねて。
はっきりとした緑の目の瞳に小さな紅の唇を持っている幼いながらも大人びた感じ
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