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ダンジョンに転生者が来るのは間違っているだろうか
邂逅
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内では何が起きるか分からないため、【物干し竿】は可能な限り、装備している。
どうやら、手が勝手に動いたらしい。

肩からかけていた袋に収まっていたはずの【物干し竿】がいつの間にか抜刀され、男の開いた口にその切っ先を向けていた。

俺の『敏捷(アビリティ)』がなせる技だ。

「へ、へめぇ……!!」

「その汚い口を閉じろ、雑魚。 殺されるのはお前だ」

真正面から男を睨む。
この状態なら、今すぐにでも微塵切りに出来る。いや、両手両足を斬り落として、ダンジョンに放り込むのもありか?

「式、それくらいで」

物騒な思考が頭の中を埋めようとする寸前、リューさんの言葉で我に変える。

「……二度とその汚ねぇ面を見せんなよ」

「く、くそがぁ!?」

そんな言葉を吐き捨てて退散していく男。一瞬吐かれた言葉で後ろから斬りつけたくなったが、押し止める。
あんまりやったら、リューさんに嫌われるからな

「大丈夫でしたか?」

「あ、ありがとうございます、助かりました……」

後ろでリューさんにお礼を述べる主人公君。
俺は刀を鞘に戻し、肩の袋に戻すと、リューさんの後ろから近づいた。

「悪かったな、少年。差し出がましいかっただろうに」

「ですね。彼ならきっと何とかしてしまったでしょう」

「い、いや、そんなことはぁ……」

頬をかいて視線を横にずらした主人公君は、そうだ、とばかりにリューさんに話しかけた。

「リュ、リューさんはどうしてここに?」

「夜の営業に向けての買い出しです。夜は冒険者が店に押し寄せますから、準備をしないと大変なことになるので。その途中で貴方を見つけてしまい、つい」

「ほんと、いきなりだったからビックリしましたよ」

「式に言われたくありません」

おっしゃるとおりで

「あ、あの、リューさん。こ、こっちの人は……」

「ああ、彼は私の「恋人」……友人の式です」

くっ、ノッてはくれなかったか。
そろそろ昇格してもいいんじゃないんだろうか、と思いつつも握手を求めて右手を差し出した。
さぁ、主人公君との初邂逅だ

「ナンバ・式だ。よろしくな、少年」

「ベ、ベル・クラネル、です」

おお! 確か、そんな名前だったな!
どうにも思い出せなかった部分がパズルのピースをはめるが如く、埋まったのでかなりスッキリした。

「あ、あのリューさん。僕、この人の名前を聞いたことがあるような……」

「そうでしょうね。一応、式はLv5の第一級冒険者ですから」

「えぇえええええ!?」

「うおっ!? 急に叫ばんでくれよ、クラネル君」

「きょ、極東出身で、さっきの長刀……【秘剣(トランプ)】!? ア
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