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ダンジョンに転生者が来るのは間違っているだろうか
邂逅
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ことを思い出した。





あれ? 仕事中は困るって言われたばっかじゃん?



分かる、分かるぞぉ!
これをもって女主人まで行って渡したときのリューさんの反応が!
きっとあれだ。あなたはどうしてそんなすぐに私の言葉を忘れられるんですか、バカなんですか、嫌いです。
とかいって冷たい眼差しで俺のことを睨むんだ!
……いや、逆にありかも…………いやいやいや!!何を考えてるんだ俺は!?
俺的には、もう、式は忘れんぼなんだから、とか言われるのが超嬉しいんだけれども、多分ないだろうから困ったぞこれは困った!



閑話休題



まぁ、こんな道中で悩んでいても仕方ない。
また次の機会を待つか、と肩を落として来た道を帰ろうと体を向ける。


「こんなところで何をしてるんですか? 式」


……おお、神よ。感謝(誰にかは俺自身も分からんが)いたします。


「今からリューさんに会いに行こうかと」

然り気無く箱を後ろ手に回し、挨拶。
白いブラウスと膝下まで丈のある若葉色のジャンパースカートにその上から長めのサロンエプロン……うむ、いつもの女主人の制服だ。
それを着こなす金髪に空色の瞳のエルフーーリューさん。

くっ! 眩しくて直視ができないぜ……!


「……何をしてるんですか」

「リューさんが可愛くて直視出来ません」

「そ、そう言うことを平然と言わないでください」

「失敬な! リューさんにしかやりませんよ、こんなこと!」

「……もう、いいです」

はぁ、とため息をついたリューさん。若干顔が赤く見えるが、果たしてこれが茜色の空のせいなのか、それともリューさん自身が赤くなっているのか判断が着かないが……後者ならどれ程嬉しいか!

「ところで、リューさんは買い物ですか?」

リューさんの片手に抱えられている大きな紙袋を指差す。
どうやら、夜の営業に向けての買い出しの途中とのことらしい。
……てことは営業前じゃん。さっきの俺の思考が全部無駄になった瞬間だった。
……まぁ、プレゼントは無駄にならんし、別にいいか

「持ちます」

「いえ、これは私の仕事ですし……」

「いいからいいから」

ほら、と手を出せば、リューさんは渋々といった様子でその大きな紙袋を俺に渡した。
意外に重いな

「すみません、助かります」

「いえいえ。このくらい平気ですから。 あ、そうだ」

リューさんの両手も空いたし、ちょうどいい。
後ろ手に回していた手をリューさんの方へと伸ばす。もちろん、その手の上にはあの箱だ。

「? これは?」

「プレゼントです。 営業前だし、いいですか?」

「……まぁ
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