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大統領の日常
本編
第三十一話 準備
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「ああ、第一勝算がなければ戦わんよ」
「策があると?」
「策というか。まぁ圧倒的な不利を対等かそれ以上にする方法だな」
SS・・・ラインハルト・ハイドリヒ中将か。先の人身売買組織壊滅に大きく貢献したため中将に昇進していたな。俺はあまり好きになれんが・・・
「SSの情報によれば首都に駐留しているのは飛空軍1個半艦隊、陸軍12師団、海軍2個主力艦隊、空軍3個飛行師団だけだそうだ」
「だけ・・ですか・・・」
だけといっても飛空艦隊だけでこちらの約4倍、陸軍も我が艦隊とSS合わせても6万人程度しかいない。空軍に至っては俺の艦隊の400機とシヴァに搭載されている80機のみ。どれも圧倒的に不利だ。優勢と言えるのは海軍だけだろう。
「少将。圧倒的に数において不利だといいたいのだろう」
「・・・はい。いかに策があるからと言ってこれほど物量差があるのです。勝算は極めて低いと言わざる負えません。まともに戦えるのは海軍ぐらいのものでしょう」
「そういうと思っていたよ。飛空軍の不利は仕方ないが、陸空軍は対等に渡り合えるだろう」
なにか秘密兵器でもあるのだろうか。またあの開発部がすごい兵器でも作りだしたか?
「なにか秘密兵器が?」
「秘密兵器・・か。まぁ秘密かな」
「艦娘と深海棲艦がどうやって艦を動かしているか知っているか?」
「確かメンタルモデルのようなもので、艦を自由に操ることが出来る、だったはずです」
「そうだ。しかし実際に一人でやっているわけじゃない。それに空母なんて航空機をどうやって動かすと思う?」
そういうと大統領は手を2回叩いた。するとテーブルに白い煙が立ち込めた。
そしてしばらくして煙が収まると、そこにいたのは40センチほどの小人だった。
「なっ!」
「驚くのも無理はない。私だって最初に見たときは少し驚いたよ」
よく見ると手足はあるし顔も全部人間と同じだ。
「なんだいさっきからじっと見つめて、何か俺の顔についてるかい?」
「い、いやそうじゃない」
「だったらいいんだが」
どうやら言葉もしゃべるようだ。
「・・・で、この小人がさっきの事にどうつながるのですか?」
「これは小人ではなく妖精という名前だ。呼ぶときは”さん”をつけてくれ」
「妖精、いえ妖精さんですか」
妖精といえばファンタジーものでよく出てくる生き物だ。まさか現実で会えるとはな。
「妖精さんには色々と種類があってな。主砲妖精さんや機関部妖精さん、それに”航空部妖精さん”や”陸戦妖精さん”もいる」
「航空部妖精さんと陸戦妖精さん・・」
「航空妖精は艦娘深海棲艦合わせて大体2万5千機ほど。陸軍はおよそ8万だ。もちろん戦車や装甲車などの車両もある」
2万5千機・・・途方もない数だ・・・
「これで陸空軍の問題は解決だ。もちろん深海清鑑もいるからな」

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